朝8時に起きると、知人が具合が悪そうだ。昨晩も「風邪引いたかも」とホットワインを飲んで体を温めていたが、「関節が痛いし、インフルかも」と言う。少し揺らしてみると、たしかにつらそうだ。勤め先にインフルエンザ罹患者が出たとのことで、ヨロヨロと病院に出かけて行く。

 1年前、原宿・VACANTで行われている公演を観るべく連日原宿に通っていたとき、知人はインフルエンザにかかった。4畳しかない空間で過ごしていれば確実に感染るだろう。そう思って共倒れにならないようにホテルに泊まり、数時間おきに様子を伺いに帰宅していた。今年もあの生活を送ることになるかもしれないとホテルを検索しながら帰宅を待ったが、検査の結果は陰性であった。

 朝食は昨日いただいた妻有そばを食す。茹で方を記した紙ももらったので、それに忠実に茹で、冷やし、食す。200グラムを一気に食べてしまったが、せっかくだから100グラムずつ食べればよかった。昼、眠っている知人の様子を時々伺いながら、構成仕事。知人はずっと眠っている。仕事はあまり捗らず、日が暮れてゆく。最初の薬は昼前に飲んでいたので、そろそろまた薬を飲ませなければ。「何食べる?」「いんない」「何食べる?」「いんない」「何食べる?「じゃあうどん」というやりとりのあと、かきたまうどんを作って食べさせ、薬を飲ませる。

 仕事は20時過ぎにようやく終わった。メールで送信すると、餃子を焼いて食す。知人の具合も悪いことだし、今日は酒を飲まないことにした。22時過ぎ、知人を起こしていちごを食べさせ、薬を飲ませる。洗い物をしていると、トイレに立った知人が冷蔵庫を開け、チョコを取り出す。それを見咎める視線を感じたのか、「一個だけ、一個だけ」と子どものように言い訳をする。先日現像した写真の中には、小学生のKちゃんの写真もあれば知人の写真もあったのだが、その表情はほとんど同い年に見えた。