7月26日

 8時に目を覚ます。いつのまにか隣で眠っていた知人に素っ気なく接してしまう。仕事に出かけるのを見送り、洗濯機をまわす。コーヒー豆があったので、電動ミルで挽いて淹れてみると、粉がまったく膨らまず、お湯がすんと落ちてゆく。何か手順を間違えたのかと思ったけれど、そうではなく、豆が焙煎から二ヶ月も経っているのだった。昼、パスタを茹でて、市販のミートソースをかけて食す。午後、もう一度洗濯機をまわす。いつのまにか東京も夏になっていて、洗濯物があっという間に乾く。一昨日余計なことをつぶやいたことが悔やまれて、気分が塞ぐ。前々から「いつか死んでしまうのは仕方がないとして、幽霊になって風景をずっと見ていたい」と誰かに話したことがある。でも、やっぱり、それでは満足できないのだろう。「この人」と思っている人には、こちらの存在に気づいていて欲しいと思っているのだろう。それは「飲み会で気遣って欲しい」みたいなことではなく、こういう日記を読んで欲しいということでもなく、自分の仕事を読んで欲しいと思ってしまう。そういう欲求をなかったことにしようとして、でも蓋をしきることができずに、くさくさ考えているうちに余計なことをつぶやいてしまうのだろう。

 今日は会食の予定があったのだけれども、体調を崩されたと連絡があり、延期となった。知人は仕事でフジロックに出かけて不在なので、新宿にでも飲みに出ようかと思ったけれど、くさくさした気持ちで飲みに出ても楽しいことにはならないだろう。18時過ぎに谷中ぎんざまで歩いて「越後屋本店」でアサヒスーパードライを2杯飲んで、惣菜を買って帰り、録画した番組をいくつか観たのち、『焼肉ドラゴン』を観た。