10月2日

 8時に目を覚ます。茹で玉子を食べて、ハードディスクレコーダーの設定をして、アイフォーンとも連携させる。ただ、アイフォーンだとイヤホンを差したままでは充電できないので、古いiPad miniにも連携アプリをインストールしようとしたのだが、ダウンロードできなかった。僕が持っているiPad miniは初代のもので、とっくにサポート対象外になっており、2代目のiPad miniでさえサポート対象外になっているらしかった。10年使わせてもらうこともできないのかとゲンナリする。

 

 新聞を読む。昨日はゆいレールが延伸したとあって、琉球新報はこれを何面かに渡って報じられている。始発電車に乗車したレポートも掲載されており、記者の方は新たに開業したてだこ浦西駅から乗車している。始発駅であるてだこ浦西駅から浦添前田駅までの描写を読んでいると、「上り線は3分、990メートル。そのうち約660メートルはゆいレール初の『トンネル区間』だが、外の暗さのせいか、記者は気付かなかった」とある。いくら外が暗いとはいえ、夜明け前の暗さのトンネルの暗さはまったく別物で、音も違っているはずだ。しかも、ゆいレール初のトンネル区間となれば、まったく違った印象を受けるはずだ。それを気づかない記者なんているのかと驚きつつも、少しほのぼのした気持ちにもなる。

 ここ数日は増税に関連した記事も掲載されているが、「タクシー 未明に行列/値上げでメーター更新」という記事が出ている。9月30日の夜遅くには、那覇市港町の沖電子に、料金の値上げに対応したメーターに切り替えようと、タクシーが行列を作ったとある。増税の影響はいろんなところに出ているのだろうけれど、タクシーメーターを切り替えるために列ができているという風景を、僕は一度も思い浮かべることがなかった。いろんなところで、いろんな風景を予測して、先回りして取材している人たちがいるのだなと思う。

 昼、納豆オクラ豆腐そばを平らげて、『別冊K』の構成仕事に取りかかる。ああでもない、こうでもないと思いながら、あれこれ手を加える。夜になってようやく完成し、メールで送信。19時過ぎに帰ってきた知人と夕食をとる。豆腐入りのつくねと、さんまだ。普段は家でさんまを焼かないけれど、昨日ひと口だけ食べたせいで、もうちょっと食べたいという気持ちになったのだ。まずは録画を消化するべく、先日特番で放送された『時効警察』観る。連ドラで放送されていた頃は観ていなかったけれど、なんとなく「ヒットしたドラマだ」という情報だけ頭に入っていたので、こんなにつまらないドラマなのかと愕然とする。小ネタの入れ方や、会話やシーンの転換――まったく場所が切り替わるというよりも、一つの部屋で過ごし続けながらも、話題が転換するときの作法――がいかにもお芝居的で、10数年前はまだこういうモードを楽しめていたかもなあと思いながらも、やはり2019年の今となっては有効期限が切れたものだとしか思えない。なぜこれを再生しようと言い出したのかという視線を知人に向けると、「いや、23時台に観るのはこれがちょうどよかったんよ」と知人が言い訳する。

 21時半に観終わり、楽しみにしていた『有吉の壁』を追っかけ再生する。皆面白かったけど、大笑いしたのはやっぱりシソンヌだ。そして、「ブレイキしそうなキャラ芸人選手権」で、とにかく明るい安村が本名の「安村昇剛」で披露した芸に胸を打たれる。「東京って、すごい!」と言ったのち、ばたばたと動きながら、北海道の、田舎の、控え目で、おとなしかった俺が、東京にきて、20年経ったら、恥ずかしくもなく、こんなことができる、と節に乗せて言う。その瞬間に、芸人たちはスタンディングオベーションで手を叩きながら大笑いしている。ほとんどドキュメントである。見終えたあと、本編ではカットされた映像をHuluで視聴していると、再生が終わったところで、初回の『有吉の壁』が再生され始める。そこにもとにかく明るい安村の姿がある。当時はまだブレイク真っ只中だったのに、バリカンで頭の真ん中を剃って笑いを取っている姿が映し出される。その姿はすごく印象に残っているけれど、数年経って改めて観ると、ほとんど感慨深いものがある。