9月28日

 旅を終えて、12時過ぎに千駄木まで帰ってくる。2週間ぶりにアパートにたどり着いてみると、なんと使い勝手がよいのかと感動しそうになる。ここは自分のスペースで、(知人をのぞけば)誰のことも気にせず、好きに使って良いのだと思うと、それだけで贅沢に感じてしまう。セブンイレブンで買ってきた豚骨ラーメンをすすり、床に寝転がる。さすがにくたびれていたのか、やらなければならないことは溜まっているのに、身体を起こすことができなかった。このままでは駄目だと湯を張り、風呂に入りながらラスト2日のドキュメントを練る。風呂上がりに「DAY 13」は書き上げ、LINEで送信。18時には外が暗くなっていて、ギョッとする。昨日まで西にいたのだなと実感させられる。そして、知人が「掛け布団を出した」と言っていて、いやいやまだタオルケットで十分な季節やろと思っていたけれど、日が暮れると肌寒くなる。

 19時過ぎ、知人と「ちよだ鮨」の前で待ち合わせ、パック寿司を買って帰る。久しぶりに乾杯し、たのしみにしていた『キングオブコント』を観る。個人的に応援したいのはGAG空気階段だったけれど、ジャルジャルの圧倒的な技術がすべてをねじ伏せた大会だった。1本目であれば、リフを重ねるとき、いかに「同じことを繰り返している」と感じさせず、グルーヴを上げていくか。2本目であれば、たとえばタンバリンを振り回すときに、一ミリでも「タンバリンが吹き飛んでガッシャーンてなりそう」と観ている側が不安に感じてしまうと、舞台上のフィクション度が下がってしまうところを、いかに完璧にやってみせるか。空気階段は残念だったけれど、2本目のあのネタを披露できたという達成感はあるだろう。銀杏BOYZの歌の世界のようにも見えた。それにしても今回は、「お笑いの日」という縦軸があったとはいえ、出演者そっちのけで審査員同士がわちゃわちゃトークする時間が長く感じられて、出演者がかわいそうに感じる時間が多かった。ああでもない、こうでもないと感想をぶつけ合いながら観ていたのだけれども、知人から、こう、人と話し慣れていない感じがした。知人の職場は、今もリモートワークで過ごしている人が多く、出社しても誰もいないことが多いのだという。2週間も家を空けて、なんだか申し訳ないような気持ちにもなるけれど、そういう仕事を選んでしまっている。