10月12日

 朝6時、喉の渇きで目を覚ます。8時過ぎ、ジョギングに出る。昨日飲んでいた高浜岩壁のあたりに出て、引き返す。水を飲んでから走り始めたものの、途中で喉が乾いてしんどくなる。10時50分にチェックアウトし、スーツケースを預け、11時に取材先の店に出かける。今日は看板メニューのひとつをいただく。食事を終えると、灘に出て坂バスに乗る。今年の3月にトークイベントに招いてもらった畑原市場は解体工事が終わり、更地になっていた。ただただそこを歩き、摩耶駅から三宮まで引き返す。散々歩き回って、「MITSURU CAFE」という店にテラス席があるのを見つけ、そこで質問リストを練る。15時、お店に向かって『AMKR手帖』の取材が始まる。今日で連載の取材は最後なので、終わったあとはどこかで軽く飲むことになるかと思っていたけれど、編集のおふたりは後ろに打ち合わせがあるということで、喫茶店で軽く話して散会となり、今後もどうにか取材を続けたいと思っていることは伝えられなかった。新神戸から新幹線に乗り、テープ起こしをする。すぐ近くの席に座る二人組が、マスクを外して大声で話していて、ただただ不安になる。『てんとてん』ツアーのときにお裾分けしてもらったKN95マスクを持ってきておいてよかった。聴こうとしなくても会話が聴こえてくる。その二人組の手荷物には、テレビ局のロゴが印刷された袋があったけれど、その局の関係者で間違いないようだ。お互いのこどもが何歳になったのかなんて話もしている。たとえ「現時点で自分は感染していない」と信じ切っていたとしても、この新幹線の中で感染させられる不安はないのかと思うと、同じ時代を生きていてもこんなに分断があるものかと信じられないような気持ちになる。アパートにたどり着いてすぐ、ハンドソープで全身を洗ってシャワーを浴びる。