1月6日

 また酔っ払ってしまった……。何かまた余計な事を言ってやしないかと、そわそわした気持ちで布団から出られずにいる。知人は知人で具合が悪いようで、お昼近くまで布団をかぶって過ごしていた。午後、パリ滞在3日目の日記を書く。これでマームとジプシー2度目の海外ツアーに同行した日記はすべて書き終えたことになる。このあと一昨年のサンティアゴのことを書いて、それを本にまとめる仕事が残っているけれど、去年のことは書き終えたので少しホッとした気持ち。

 夜には知人も少し回復した様子なので、駅近くにある日本酒のうまい店に出かけた。少し値が張るが、我が家の新年会と思って出かけることにした。ひさしぶりの訪問だが、店員が妙にのんびりしている。やる気がないならムッとするところだが、それがきっとこの人の間なのだろうと思うと気にならない。

 知人とは、ここ2日間の後悔と絡んだ話をした。知人は「愛情過多っていうと聞こえがいいけど、単に分別がついてないだけだよ」と言った。「話を聞いてると、すごい懐かしい感じがするもん。中学生ぐらいのときの感じがする。皆、そこで学習して落ち着いていくのに、何でこの年になってそんな話してるんだろうって思う」。それから、ライターとしてもっとどうにかなったほうがいいのではないかという話もされた。「もっと名前が出る仕事をしたほうがいいんじゃない? 構成じゃなくて、対談できるぐらいにならないと」。そう語る知人の話を、なぜか遠い気持ちで聞いてしまっている。