朝8時に起きて、トーストを食す。ようやく知人も回復したようだ。今日は珍しく午前中からアパートを出て、代々木で大江戸線に乗り換える。国立競技場、青山一丁目、六本木。たまに乗るたびに思うが、本当に縁のないエリアだ。六本木で電車を降りて、長いエスカレーターを上っていると、泥酔したギャルとギャル男のカップルとすれ違った。

 11時、六本木「アマンド」へ。以前仙台で知り合ったOさんから久しぶりで連絡があり、上京する用事があるのでお茶でもと誘ってもらったのだ。普段は喫茶店でコーヒーしか頼まないが、ここは六本木だしなと背伸びをしてカフェオレを注文する。Oさんは今、仙台を離れて長野に暮しているという。近況を話したのち、聞かれるままにライターや編集の仕事、あるいは街についての話をした。面白い話ができただろうかと不安でいっぱいだ。ライターを名乗っておいてこんなことを書くのもどうかと思うが、自分の話が面白いとは思えずにいる。

 Oさんとは「アマンド」の前で別れ、青山ブックセンターで買い物をする。そういえばすっかり空腹だが、六本木にはなんのあてもない。あの蕎麦屋はどうだろう。あの路地には店がありそうだ。そんなふうにしばらく散策したがどうにもしっくりこず、結局24時間営業の中華料理店「エイト」で麻婆豆腐セットを食す。

 都営バスで渋谷に出る。カメラ片手に歩いてみると、渋谷が改装中であることがしみじみわかる。公園通りを歩いてパルコミュージアムに入り、奥山由之写真展『BACON ICE CREAM』観る。思えばフィルムカメラを買うに至ったのには、この写真家の影響が大きいのだろう。去年の春に沖縄で一緒になったとき、奥山さんは写ルンですで写真を撮っていた。そのことが頭の片隅に残っていたのだ。会場では写真集も販売されていたので、購入してパルコをあとにした(写真集を買うのはいつぶりだろう?)。

 15時半、新宿に移動して、「らんぶる」。ブレンドを飲みつつ、テ『BGK』誌のゲラに赤を入れる。文章を直すというよりも、「――」の位置や一行空けた箇所の見栄えといったことを気にしながら手を加えた。17時半、「らんぶる」を出て下北沢へ。「古書ビビビ」を訪ねたのち、「下北沢シェルター」で踊ってばかりの国のワンマン公演を観る。いや、とにかく最高だ。ツアーがあるなら追いかけたいくらいにシビれている。バーカウンターの目の前に陣取れたので、ハイボールを5杯もお代わりしてしまった。よくあることだが、チケット代よりも酒代のほうが高くついている。