朝8時に起きて、昨日の鍋の残りを食す。朝から塩分を摂り過ぎたのか、くたびれてしまった。テレビではずっと宮崎議員の不倫報道が繰り返されているが、相手の「女性タレント」の姿と名前が一向に報じられない。最初のうちは「売り上げに影響しないように文春が釘を刺したのか」とも思ったが、そういうわけでもなさそうだ。報じられるたびに文春の誌面が映し出されるのだが、「女性タレント」の写真の箇所にはモザイクがかかっている。

 昼は納豆オクラ豆腐うどんを食す。15時、「らんぶる」に出かけて『S!』誌構成。途中で知り合いを見かけたが、仕事らしいので声はかけなかった。途中でコーヒーをお代わりして、18時過ぎに完成する。急いで中央線に乗車し、高円寺「C」。今日は久住さんのトーク&ライブがあると教えてもらっていた。トークの中で、友達に砂糖水や味の素水を飲ませて驚かせていたというエピソードが紹介されていた。

 砂糖水というフレーズを聞いた瞬間に、忘れていた記憶がハッと甦る。小さい頃は、扁桃腺が大きいせいかよく風邪を引いていた。苦い薬を飲んだあとに、小さなコップ1杯の砂糖水を飲んでいた。あれは母が「苦さと甘さを中和させよう」と飲ませていたのか、僕が強請っていたのか、今では記憶が曖昧だが、僕はそれが好きだった。今ほど気軽にジュースを飲んでいなかったにしても、カルピスだって何だってあるのに、なぜ砂糖水を飲んでいたのだろう。あとで知人に「砂糖水、飲んでたよね?」と聞いてみると、何を言っているんだコイツはという顔をされてしまった。

 トークが終わったあともしばらく熱燗を飲んだ。店主のKさんに「こないだの朗読会、どうでした?」と聞かれたので、不思議な感じで面白かったですと答える。「たしかに、不思議さを楽しんでる感じがありましたよね。そうだ――途中で電話がかかってきてましたよね? あれは本当にかかってきてたんですか?」。

 仕事の電話がかかってきたのは、朗読と朗読のあいだのつなぎの時間だ(マナーモードだったので、着信音が鳴り響いたというわけではない)。メールの返信を送りそびれていた相手からだったので、静かに電話に出て、手短に話をして電話を切ったのだ。「いや、あの場で電話がかかってきたときに、周りの人がどう反応するかを楽しんでるのかなと思ったんです」。さすがにそこまで余裕のある(?)人間ではないが、そんなふうに思われているのかと思うとおかしかった。

 客席にはある人がいた。しばらく飲んでいるうちに、「××さんが橋本君のこと心配してたよ」という話になった。そのことがショックだった。××さんがどうして僕のことを心配するのだろう。僕は心配されるような状況にあるのだろうか。そのことを僕に伝えるということも、どういう意図があるのだろうと考えてしまった。僕のことを心配していた××さんのことも、それを伝えてきたある人のことも、別に悪く思いはしないけれど、何だろう、何とも言えない気持ちになる。そんなこと書かないほうがいいのかもしれないが、それを書き記さないのであれば日記を書く意味はなくなるだろう。