昼、知人が「時間あるからサウナ行こうかな」と言い出す。知人には今日の夜に『あっこのはなし』を観に行くように話していたので、思わず「いいじゃん、行って来なよ」と勧める。劇中にサウナに出かけるシーンがあるのだ。他にも劇中に登場する話しをし始めたので、思わず笑ってしまった。

 夕方、小竹向原へ。うさぎストライプ『わかば』観る。劇が始まる前に、制作スタッフが「上演中、タバコを吸うシーンがございます。必要な方にはマスクをお配りしておりますので、お申し付けくださいませ」とアナウンスがある。なかなか皮肉がきいているなと思っていると、2名ほど手を挙げる人がいて衝撃を受ける。僕はタバコの煙に好意的な人間では決してないけれど(健康被害ではなく、上着に臭いがつくとすぐクリーニングに出したくなるという理由なので、夏場は寛容になる)、こういう時代を生きているのか。

 劇に登場するのは二人だけ。妻が行方不明になってしまった男性と、行方不明になった妻の妹である。妹は就職活動のため、義理の兄の家に泊まっている。劇が進むにつれ、その夫婦の関係がいびつであったことが明らかになり、それと同時に義理の兄妹の関係もいびつになる。そのいびつさを見せられているうちに、1時間強で劇は幕を閉じる。ああ、終わってしまったと放り出されたような気持ちになる。印象的だったのは音楽で、坂本慎太郎ゆらゆら帝国だったかも)、長渕剛(結婚式場で働く夫婦なので「乾杯」が使用される)、相対性理論(やくしまつえつこだったかも)というのは、今の時代になかなか勇気のあるチョイスだと思った。

 副都心線新宿三丁目に出て、『あっこのはなし』を観終えた知人と合流する。劇中に中華が登場することもあり、「エイト」に入る。連休中に混む店でもなかろうと思っていたが、入ってみると大盛況だ。知人の感想を聞きながら水餃子や羊肉のクミン炒めを食す。ひとしきり食べたところで店を出て、缶チューハイを買って新宿2丁目に移動する。あるビルの前から宅配ピザを注文する。2年前のゴールデンウィークに、このビルの地下にある店でピザを食べた。そのことを思い出しながら、Mサイズのピザを平らげる。