朝、テレビをつけると『ふるさと再生 日本の昔ばなし』が流れている。何となしに眺めていると、「サンゴスの玉」という話をやっていた。サンゴスとは何だろう、というかどこの昔ばなしだろう。調べてみると、未来社から出ている『日本の民話』シリーズの最新刊『八丈島の民話』がヒットする。面白そうだ。

 昼、知人と一緒に「コットンクラブ」で昼食。知人は例によってビールを飲んだが、僕はここ数日のことを振り返って我慢する。謎のゲーム会に呼ばれた知人と別れ、「芳林堂書店」で『日本の民話』シリーズを探すも在庫なしとのことで、代わり(?)に三浦佑之『口語訳古事記』を購入して帰宅した。

 風呂につかりながらさっそく読み始める。名前やら世界観やらに馴染むのに時間がかかるが、面白いポイントがいくつもある。特に注釈を読むといろんなことを考える。たとえば、「神の代の語りごと 其の一」に出てくるこんな説明。

 人間の誕生について、古事記は何も語らないが、後に出てくる「青人草」や「人草」という言葉から考えると、人は「草」であり、土の中から萌え出た草の仲間であると考えられていたらしい。

 なるほど、だから「民草」という表現もあるのか。それにしても、人が草であるという考え方をしたことはなかったので、なかなか興味深い。「昔の人はそんなふうに考えていたのか」だとか、「この考え方が今につながっているのか」と考えながら読むとワクワクする。一つ一つに立ち止まってしまうせいで、なかなか読み進められないのだが。