7時半に起きて、ジョギングに出る。この時間帯だと子どもを載せるカゴ付きの自転車と何台もすれ違う。同世代の人たちも大勢いるけれど、僕はのんきにジョギングする毎日だ。帰りにスーパーに寄ると、出勤前の会社員たちが買い物をしている。ペットボトルを買うのにもコンビニではなくスーパーを選ぶのか。アパートに戻ってゆで玉子を食べる。テレビに石丸さんが出ていた。

 取材用に質問リストを作ったのち、マルちゃん正麺(醤油)で昼食。「ミヤネ屋」では、昨日の放送終了後にASKAと電話をする様子が流れている(カメラが回っていると言わずに電話を繋いだ井上公造芸能レポーターとしての仁義はどうなっているのか)。昨日は放送中に「ミヤネ屋さんへ」とブログが更新され、その後本人から電話があり、そのときの様子が放送される頃には本人が逮捕されている――すごい世界だ。

 しばらくASKA逮捕にまつわるVTRが流れていたのだが、突如として画面が切り替わり、スタジオに戻る。朴槿恵大統領の緊急会見が始まる。拙い調子で通訳が朴槿恵の言葉を翻訳する。「処遇を国会に任せる」「その手続きにしたがって職を辞する」と辞意を表明したあとの、「私はすべてを諦める」という言葉が印象に残る。しみじみした気持ちになっていると、緊急ニュースを知らせる音が鳴る。テロップには「ブラジルのサッカー選手ら72人を乗せてコロンビアに向かっていた旅客機が墜落」と表示されている。今日は一体どうなっているんだ。

 16時過ぎにアパートを出ると、知人からメールが届く。KさんがステージⅣの癌と告げられたのだという。その話は今日になってわかったことらしく、明後日にはアパートを引き払って故郷に帰ってしまう。明日は引越し作業をしているので、会いたい人がいれば明日のうちにと連絡がまわっているようだった。東西線に揺られながらふとカレンダーを開くと、今日は新月だ。射手座の新月はどういう日であるのか調べてしまう。Kさんはこういう思考を嫌うであろうに、ついそんなことを考えてしまうのは動揺しているのだろう。

 18時まで喫茶店で『S!』誌の構成をしたのち、某局へ。局の前には多くの報道陣が集まっている。さっきまで放送されていた生番組で闘病生活から復帰を果たした人が出演していたらしく、その場で原稿を書いている記者も大勢いる。編集者が来るまでロビーに佇んでいるつもりでいたのだが、警備員から不審がられたので外で待っていた。東京タワーが見えた。18時半に取材が始まる。20時半頃に取材が終わって外に出たところで、編集のOさんから「橋本さん、何か聞いとかなくていいんですか」と話を振られる。いやいや大丈夫ですと言っていたのだが、Oさんが取材相手のFさんに「橋本さんはFさんの番組のファンなんです」と伝えてくれる。思い切って「毎週踊りながら観てます」と伝えると笑ってくれて嬉しくなる。幸せな取材だ。

 高田馬場まで戻り、フレッシュネスバーガーに入る。チキンナゲットとアイスコーヒーを注文し、23時の閉店までさきほど取材した音源のテープ起こしをする。「コットンクラブ」に移動して、ビールを飲みながら今度は『S!』誌の構成に取り掛かる。ほとんど完成したところで、仕事帰りの知人がやってくる。今日はいろんなことがあり過ぎたので、そのまま帰る気持ちにはなれず、少し飲んで帰ろうと誘っておいたのだ。ローストビーフ、アサリのワイン蒸し、それにポルチーニのリゾットを平らげ、赤ワインのボトルを飲み干してからアパートに帰った。