7時過ぎに起きてテレビをつけると、愛子さまの映像が流れている。ああ、もう12月になったのか。まずはフライヤーの入稿作業を済ませたのち、『TB.』誌の構成に取りかかる。テープを起こした20000字のテキストを3500字に圧縮する。個人的にはすべて面白いのだけれども、そういうわけにもいかず、刈り込んでゆく。こちらを切り、あちらを少し短くして縮めてゆく。床屋さんはきっとこんな感覚なのではないか。

 13時、カレーライスを食す。最近、麻婆豆腐丼ばかり食べていたのは、丸美屋の麻婆豆腐の素を使えば簡単に調理できるのと、カロリーも低いというのが主な理由だ。ただ、ふと気になって塩分を調べてみると1食あたり7.1gも含まれているのだとわかり、これでは内臓がやられてしまうと今日はカレーを選んだのだ。ただ、いずれにしてもレトルトのボンカレーなので、特別お腹に優しいということもないけれど。

 15時過ぎになると、ある程度構成が整ってくる。今日はもう1件締め切りがあるので、そちらの構成にも取り掛からなければ。ただ、すぐには頭が切り替えられないので、気分転換をするべくジョギングに出る。いつもは午前中に走っているので、この時間帯に走るのは久しぶりだ。しばらく快調に走っていたけれど、3キロほど走ったあたりで頭がくらくらする。今はまだ内臓がカレーライスを消化中で、そんな状態で走ったものだから脳がエネルギー不足に陥ったのだろう。人間のからだというのは不思議なメカニズムだ。食事をするということは実は結構な運動であるということを久しぶりに実感する。

 シャワーを浴びて、再び構成に取りかかる。19時過ぎ、そろそろ晩ごはんにしようかと思っていたところにある役者さんからLINEが届く。軽く飲みませんかと誘ってもらって、すぐに「飲みましょう!」と返信。20時40分に駅前の「MARUHACHI」でブリの刺身をつまみつつ、あれこれ話す。来年春にツアーが決まっている作品の話もする。僕はずっとその作品を追いかけているけれど、世界がこんなにも動いている中で、あの作品がどれだけ意味を持ちうるのか興味があるという話をした。相手は「それ、前に飲んだときも言ってましたよね」と言っていたけれど、自分ではおぼえていなかった。

 彼女とは稀にこうして酒を飲んでいる。別に作品の話ばかりしているわけでもなく、普通に酒を飲んでいる。半ばインタビューのような形で酒を飲みながら話す相手は何人かいるけれど、こんなふうに何となく飲んでいるのは彼女だけだ(それも結局、作品におけるその人の存在感に影響されているのかもしれないけれど)。でも、年を重ねるにつれて「今から飲みませんか」と誘える機会も減ってくるし、誘われる機会も減ってくる。こんなふうにふらりと飲めるのは幸せなことだ。