朝8時に起きる。すっかり風邪は治っている。昨日は一体何だったのか。ジョギングに出たのち、うどんを食す(うどんくらいしか食べられないだろうと思って、昨晩のうちに買っておいたもの)。ジョギング帰りにスーパーで買っておいた食材でおでんを作る。他にもツマミをいくつか買ってきており、知人が「準備万端やね」と感心している。今日はお昼にM-1の敗者復活戦が放送され、夜にはM-1の決勝戦があるので、部屋から出なくても済むようにしておいたのだ。

 14時、番組表を観ると「芝浜」をやるというのでNHKにチャンネルを合わせる。途中で何度も言い澱んでいたけれど、最後まで観てしまう。僕は今年の年末を乗り越えられるだろうか。そんなことを考えているうちに噺は終わり、敗者復活戦が始まる。達者なだけでも厳しく、勢いだけでも厳しいだろうから、難しいところだ。ラジオを聴いていることもあり、ニューヨークを応援するつもりだったけれど、さすがに間がすかすか過ぎる。同じくラジオを楽しみにしている三四郎、相田のクレイジーさが少し出ていて嬉しいけれど、もう一つ勢いが足りない。大自然というコンビに「何これ!」という驚きがある。学天即はさすがに達者だ。しかし、何より和牛の漫才が完璧だった。

 番組が始まる前はとろサーモン、ニューヨーク、三四郎に入れるつもりでいたけれど、大自然、学天即、和牛に投票する。決勝が始まるまで2時間あるので、知人と一緒に散歩に出る。ここ数年、クリスマスケーキは目白にある「エーグルドゥース」で買っている。僕が買っているわけではなく、知人が毎年予約して買ってきているのだ(僕は酒のツマミ担当)。電話などでは予約できないので、店まで足を運ぶ必要がある。この界隈を歩くときは決まって僕が先導するのに、今日は知人が先導する。僕は「エーグルドゥース」に一度も行ったことがないのだ。3年前に下血し入院したとき、僕は目白の病院に入院していた。そこに着替えなんかを持ってきてくれた帰り道に賑わっているケーキ屋を見かけ、たまたま立ち寄ったのだという。クリスマスケーキを予約したついでに、ケーキを買って帰ることにする。僕がカスレットを選ぶと、知人は「それはね、最初に来た日に買って帰ったやつ」と言う。僕は下血したときのことをもうあまり覚えていないけれど、知人はよく覚えている。

 夜、M-1グランプリの決勝を観る。去年の記憶が既に定かではないけれど、前振りのVTR――かつて恒例だった「そのコンビがM-1に掛ける思い」的なVTR――が流れず、いきなり舞台に登場して漫才が始まることに好感を持つ。敗者復活で勝ち上がったコンビが和牛だと発表された瞬間、知人も僕もガッツポーズをした。一番違和感があったのは銀シャリで、僕も知人もつまらないとボヤいていたのに高得点だ。「私たちには見えない何かがあるんかね」と知人が言う。1本目も2本目も、和牛のネタは完璧だった。これで優勝できないなんてありえないだろうと、勝手なことを言い合いながら何杯も酒を飲んだ。