目を覚ますと10時過ぎだ。知人も僕も、こんな時間まで眠りこけてしまった。二度寝ではなく、一度も目を覚まさずにこんな時間というのは珍しいことだ。知人は慌ただしくシャワーを浴びて出かけていく。僕はぼんやりテレビを眺める。相模原の事件から1年だ。「私は意思疎通がとれない人間を安楽死させるべきだと考えております」という手紙に何を思えばいいのだろう。もちろん否定されるべきだけれど、はたして否定することができるだろうか。犯人の考え方は到底受け入れることはできなくて、そうした考えの人間を排除することは、どうすれば可能になるのだろう。昼、スーパーマーケットでチキンカツカレー弁当を購入した帰りに、ユリを買ってきて花瓶に挿した。

 16時、ルミネtheよしもとピース又吉SPコントが目当て。当日券を購入してみると、いくら平日とはいえ前から4列目でびっくりする。冒頭のアジアンの漫才が面白い。ソフトな立ち上がりで、声のトーンと些細な仕草で笑いを起こしていく。特に馬場園さんが、相方の肩にどのタイミングで手を置くか、どの位置に手を置くか、どこで客席に手を向けるか、細かいポイントにまで意識が張り巡らされているのがわかる。漫才師というのはすごい仕事だなあと惚れ惚れする。星田英利の漫談で、自分が芸人になったことを「呪われた血」と言っていたことが印象に残る。目当てのピース又吉SPコントは4月と同じネタであった。ビールを2杯。

 夜、与野本町へ。マームとジプシー『クラゲノココロ モモノパノラマ ヒダリメノヒダ』二度目の観劇。劇の感想は後日改めて書く。毎日劇場に通っているわけではないけれど、こうして観劇する日はなるべく早めに劇場について、他のお客さんがどのように開場を待ち、どのように物販を眺めるかを観察している。それで追加で作成したり、本の前に置くPOPを作り替えたりしている。終演後もお客さんが物販を眺める様子を見届けるようにしている。今日もそれを見届けて、売れた部数を確認し、ファミリーマートアサヒスーパードライを2缶買って駅まで歩く。埼京線に乗ってみると、斜め向かいの乗客が10周年本を読んでいる。普段自分の執筆した原稿や構成したテキストを熟読している人を目の当たりにする機会がなく、つい視線を向けてしまう。