不忍界隈

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6月25日、『不忍界隈』というリトルプレスを創刊します。
不忍通り沿いの千駄木・谷中・根津・池之端界隈にあるお店を毎号1軒取り上げ、
お店の来歴を聞き書きする雑誌です。

『不忍界隈』
定価300円(税込)
毎月25日頃発行
編集発行人=橋本倫史
取扱店=往来堂書店・古書信天翁・古書ほうろう

紙に印刷された雑誌としては、この雑誌で取り上げる地域の書店でのみお買い求めいただけます。
この界隈に足を運ぶことが難しい場合、ウェブマガジンとしてご購読いただけます。

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創刊によせて

 不忍通りを通って引っ越しをした。引っ越してからは散歩に出る機会が増えた。千駄木、谷中、根津、池之端とぶらつき、不忍池に出る。そこには小さな店がいくつもあり、路地があった。これまで僕が住んでいたアパートは大通り沿いにあって、ビルが立ち並んでいる風景を眺めて過ごしてきたこともあり、その町並みはとても新鮮に映った。


 しばらく暮らしているうちに、この町でお店を営んできた人たちに話を聞きたいと思うようになった。あの酒屋さんはいつからあるのだろう。あのお弁当屋さんはよく本を読んでいるけれど、どんな本が好きなのだろう。あの花屋さんは、一日のうちどんな時間に幸せを感じているのだろう。


 物書きとして仕事を始めて十年が経つが、これまで興味を向けてきたのはどこか遠くの町だった。どうして自分が暮らす町をもっと知ろうとしてこなかったのだろう。そこで僕は、この町をテーマに雑誌を創刊することにした。タイトルは『不忍界隈』。千駄木、谷中、根津、池之端にあるお店を毎号一軒取り上げ、その来歴を聞き書きする。町の魅力を発信するための雑誌ではなく、そこにある風景をより深く知るためのきっかけになればと思っている。