7時30分に起きる。ジョギングしたのち、豆腐とネギの味噌汁を作り、コーヒーを淹れる。知人を見送り、新聞を読んで、dマガジンで週刊誌を読む。昼はスパゲティーを茹でて、キューピーの明太子ソースをかけて食す。18時にアパートを出て渋谷へ。LOFT9で末井昭アワー vol.1「夫婦で『生きる』という『たまもの』」というトークイベントを聞く。印象的だったのは、同じ時期のことを繰り返し書き記すことについて、司会の岡さんから「書くことで得るものもあるけど、失うものもあるのでは」と質問されたときのこと。その質問に、「同じように見えますけど、微妙に違うんですね」と末井さんは切り出す。昔のことを思い出しながら書くと、自分の中ではこういう記憶だと思っていたものが、書くことによってちょっとずれる。それは過去の思い出が広がるということでもあるから、それは得るものだと言える。失うものとしては、書くことによって風化し、だんだん飽き飽きしてくること――末井さんはそう答えた。

 そこに高橋源一郎さんも加わり、さらに話が広がる。「『たまもの』(2002年)の中の神蔵さんはずっと迷っていて、そのあとの『たまきはる』(2015年)はもっと迷っていて、『たまもの』に出てきた末井さんも迷ってた。でも、末井さんの新刊『生きる』を読むと、迷いがなくなってる」と高橋さんが指摘する。神蔵さんはいつまでも投げ出せないからこういう作品をつくっているけど、その神蔵さんと一緒にいるから、「いくら書いてもしょうがない」と全部投げ出すようになっていて、お互い良い影響を与え合っている、と。僕は1杯だけビールを飲んで、ワインをデキャンタで飲んだ。トークを聴いたあとは副都心線新宿三丁目「F」。そして昨日声をかけられたのに入らずじまいだった無限チューハイの店に出かけたのだが、接客がいまいちだったので「もう二度と行かん」という気持ちで電車に乗り、丸ノ内線をぐるぐる回る。