8時過ぎに起きる。シャワーを浴びて、発送準備。遠方のお店には、クッション封筒に入れてゆうメールで送る。通販で申し込んでくれた方にはスマートレターで発送するのだが、5月3日から休配日になるので、届くのがゴールデンウィーク明けになってしまう可能性もある。なるべく早く届くようにと、集配局である上野郵便局で出す。11時、上野にある「ギャラン」で待ち合わせ。今度出演する番組の打ち合わせだ。どこか場所を指定していただければ伺いますと言っていただいたのだが、千駄木まで来てもらうのは流石に厚かましいだろうと、上野か日比谷でと提案して上野に決まった。どうせなら今後も「打ち合わせはここで」という場所を見つけられないかと下調べをして選んだのが「ギャラン」だったのだが、やはり雰囲気のある素敵なお店だ(分煙ではないので、タバコが苦手な人とは待ち合わせられないけれど)。アイスコーヒーを飲みながら1時間半ほど話す。

 しばらく上野駅界隈を散策して、どこか良い飲み屋はないかリサーチする。いつも「カドクラ」と「たる松」にばかり足を運んでしまうので、もう少し選択肢を増やせないかと調査する。何軒か気になる店を見つけたので、今度知人と飲みにこよう。せっかくだからと浅草に出て、「水口」で瓶ビール。テレビでは朝ドラの再放送をやっている。永野芽郁は好きだが、この朝ドラは気が乗らず、録画が溜まっている。主人公は1971年生まれで、現代が舞台であるのだが、懐かしのネタで視聴者が「あるある!」と盛り上がっている感じも苦手で、視聴しなくなってしまった。テレビはもう、そういう懐かしネタで盛り上がる媒体でしかないのかと、悲しい気持ちになるのだ。今週はヒロインが上京したいと打ち明けていて、茶の間で家族会議が開かれている。ビールを飲みながら眺めていると、やはり観たほうがいいのかなという気持ちになる。

 目の前にはカップルが座っていた。まぐろの刺身、炒り豚、ハンバーグ定食、さんまの塩焼き定食と大量に注文している。男はさんまの塩焼き定食を食べ終えると満腹になったようで、炒り豚の玉ねぎをつまんでぼんやり過ごしている。女性は店員に申し訳ないと思って頑張って食べているが、男は「もういいんじゃない?」と席を立ってゆく。入れ替わりで初老の女性二人組がやってきて、二人ともエビフライ定食を注文した。3本のエビフライを少しずつ平らげながら、ぽつぽつ会話している。わたしねえ、この歳になって思うんだけどねえ、もっと若い頃に勉強しておけばよかったねえ。そう語る女性に、もう一人の女性が「勉強なんてしたってしょうがないわよ」と返す。「勉強したって、嫌われたらおしまいだもん。やっぱり人情が一番大事よね」。

 そんな会話を聴きながら、栃尾油揚げ焼とイワシを食す。勘違いしていて、メザシをイメージしていたので、運ばれてきた皿を見てギョッとした。僕は箸づかいが下手なので、今後は魚を注文するのはやめておこう。メインディッシュはポークソティにした。炒り豚もそうだが、甘いソースがたまらなくうまい。会計をして店を出て、「チョコレートジーザス」へ。『dancyu』で木村衣有子さんが紹介されていて、こないだ浅草で偶然出くわした小高さんからも「友人がやっているお店でおすすめです」と聞いていたお店。美味しいコーヒーをいただき、アパートに帰る。夕方のニュース番組を眺めていると、下町バス巡りが特集されている。そこで「よみせどおりからバスに乗って、千駄木駅前で下車!」と言っている。300メートルくらいの距離だ。さすがに無理があるだろう。

 19時過ぎ、徒歩1分の場所にあるバス停からバスに乗る。そのバス停から出ているバスは、池袋駅東口と浅草寿町を結んでいる。浅草方面には二度ほど乗車したことがあるが、今日は初めて池袋方面に向かってみる。25分ほどで池袋にたどり着く。あまり混んでいないし、快適だ。今度からはバスで池袋に出よう。『月刊ドライブイン』を納品するべく「古書往来座」をのぞくと、退屈さんが店番をしていて、『いこい』編集人のいの一番さんもいる。ちょうど『アフター6ジャンクション』にのむみちさんが登場するところだというので、ビール片手に聞く。とても聞き心地の良い声で、もっとラジオに出演すればよいのにと思う。コーナーが終わったところで店を出て、新宿3丁目「F」へ。『月刊ドライブイン』を購読してくださっているお客さんが何人かいるので、お店に納品して代金をいただき、そのお金で新しいボトルを入れる。