5時半に目が覚める。ラジオをつけて、別所哲也J-WAVE TOKYO MORNING RADIO』をオープニングから聴く。今日は29度になると言っている。豆腐を買いにアパートを出ると、朝だというのに結構な暑さだ。最近仕事がしんどいらしく、知人は「生きて帰れんかもしれん」と言って部屋を出て行った。午前中から月刊ドライブインの原稿を書く。昼、キャベツと酒盗のパスタを食す。午後も引き続き原稿を書いた。

 夕方になってアパートを出て、谷中ぎんざへ。最近基礎工事が進められていた家があり、そんなところも外国人観光客が写真に収めていたのだが、今日が棟上げ式だったらしく大勢の人が集まり、中にはお神酒が置かれていた。「古書信天翁」に月刊ドライブインを追加納品し、表のベンチでサキ先輩と缶ビールを飲んだ。19時が近づいたところでおいとまして、スーパーに寄って帰宅。

 知人が帰ってくる時間に合わせてホッケを焼き、キャベツと豚挽き肉の炒め物を作って乾杯。後者は『晩酌百景』という本で向井さんがキャベツとコンビーフの炒め物を作る話を披露していた(気がする)のを思い出し、作ってみたもの。ただしコンビーフは高価なので挽き肉で代用し、ナンプラーで味つけたのだが、なかなかうまかった。キャベツの汎用性の高さを痛感する日々だ。

 楽しく晩酌していると、メールが届く。未映子さんのマネージメントをされている方からだ。来月開催される「手紙」展に向けて、コメントをいただけないかとお願いしていたのだが、お忙しい日々を過ごされているは百も承知なので、いただくのは難しいだろうと思っていた。その未映子さんからのコメントが届いていて、とても嬉しい。藤田さん、青柳さんからもコメントをいただくことができたので、とても幸せな気持ちでいる。

「手紙」展
川上未映子×マームとジプシー「みえるわ」ツアーの記録

会場:本屋 Title(東京都杉並区桃井1-5-2)
営業時間:12:00 - 21:00
会期:6月7日-6月25日(毎週水曜・第三火曜定休)

彼の目に映っていた、みえるわ。言葉の瞬間に、目を凝らし、耳を澄まし、綴り、過ごした日々は、どういう風に、どこへ届いて、だれに残るのだろう。
藤田貴大(マームとジプシー主宰・演劇作家)

三月が終わり、大好きな四月がやってきて、五月を通り越して、そうしてまた六月になる。
わたし達のみたもの、みなかったもの、かたちのないもの、ほんとうにはないもの、それらは言葉となって、ずっとずっと残ってゆく。
青柳いづみ(女優)

過去も、未来も思い出も想像も、ぜんぶが「今」に立ちあがる不思議。そしてその「今」は、言葉にすることができないということによってのみ存在するという、これまた不思議。
わたしら何をしてるねやろ。何にむかって何のために、一回きりや今を、なんで別のものに置き換えていくことをやめられんのやろ。
藤田くんが青柳さんを、橋本さんがふたりを、青柳さんが藤田くんを、言葉がみんなを、みんなが言葉をみている四月、今どこに?
川上未映子(作家)