6時45分にアラームで目覚め、シャワーを浴びて出かける。都営三田線と都営新宿線を乗り継ぎ、8時半、新宿に出る。この時間帯の電車に毎日乗っている人たちは、それだけで心の底から尊敬する。まずは「珈琲タイムス」でA・Iさんと待ち合わせ。この時間帯だと出社前のサラリーマンで賑わっているかと思ったが、そのピークはすでに過ぎたのか、がらんとしていた。モーニングを食べながら、ひとりの友人として雑談する。

 ゆっくりモーニングを食べているAさんを残し、僕は一足先に店を出て、アルタ横の「ルノアール」へ。すでに制作チームが待ってくれていた。僕はブレンドを注文して、ドキュメントとしてどういう方向性のものを考えているのか、あれこれ話す。ほどなくしてひとり、またひとりと合流し、10時半に東口駅前広場で全員と待ち合わせ、この日の「散策」が始まる。邪魔だと思われない範囲で先導しつつ、場所の説明をして、特に説明はしないけれど好きな路地を抜けつつ歩く。

 13時、終着点である新宿西口地下「広場」にたどり着き、一旦散会となる。僕は友人ふたりと一緒に地下街のカレーを食したのち、三人でタクシーに乗り込んで池袋に移動する。14時前に目的地にたどり着き、再び皆と合流して、19時まで取材。飲みに行くかもという噂を聞いたので、少し時間を潰さなければ。まずは「古書往来座」まで足を伸ばし、ちょうど店番をしていたのむみちさん――『月刊ドライブイン』を書籍化してくれる編集者の方と繋いでくれた恩人でもある――にお礼を言ったのち、「寺山修司の青春時代」展のパンフレットを購入し、「ふくろ」に引き返して瓶ビールを飲んだ。

 しばらく経ってAさんから連絡があり、残念ながら皆は帰ってしまったけど、よかったら飲みませんかという話になり、劇場裏の飲み屋で2時間ほど飲んだ。その大半を友人としての会話に費やしてしまったことが急に不安に思われて、改札前で観客(?)的な感想を伝える。上演を前に「観客的」なんておかしな話でもあり、そんなふうに何かを伝えようとすることなんて余計なことだとわかっているのに、つい口にしてしまうのはなぜだろう?