6月8日

 7時過ぎに目を覚ます。コーヒーを淹れ、たまごかけごはんを食す。ジョギングに出るつもりでストレッチをしてみたものの、外がどんより曇っていると気が乗らず、布団にもどってケータイを眺める。ふと思い立って石井妙子『女帝 小池百合子』を電子書籍で購入し、読み始める。これは本当に2020年に出版されたノンフィクションなのかと思いたくなる言葉が繰り返されるので、カイロ留学時代の途中で読むのをやめてしまった。カレーライスを作り、在宅で仕事をしていた知人と一緒に平らげる。午後は永井均『これがニーチェだ』を読んだ。夕方になって給付金のことを思い出し、書類に記入する。「受給を希望されない方はチェック欄に×印を」という謎の欄があると聞いていたのだが、文京区の書類にはチェック欄は存在しなかった。ただし、「給付を希望される方は要、希望されない方は不要欄に『○』を入れてください」というフォームがあり、希望でいいんだよな、と何度も確認して○を書く。調べてみると、「チェック方式だと紛らわしいのでは」と判断し、文京区は独自のフォーマットを作成したらしかった。しかし、どうして「そもそも不要なら返送しないだろう」と考えなかったのだろう(もしかしたら「この人からは不要だという回答を得られた」と確定させることで、そのお金を他のことに回せるのかもしれないけれど)。封筒についていたシールをぺろっと剥がして封を閉じ、郵便ポストに投函しにいく。朝は曇っていたのに、今は完璧に晴れている。ついでに図書館まで出かけ、本を返却する。本当は4月が返却期限だったのだが、図書館が休館となり、今日まで期限が延長されていたのだ。夜になって『これがニーチェだ』を読み終える。今日は休肝日のつもりでいたけれど、知人が「明日は飲まないから、今日は飲みたい」と知人が言う。さっき青空を見ているうちに、ぼくも飲みたい気持ちになっていた。ただ、今日はビールを冷やしていなかったので、「ビールを買ってきてくれるなら」と、体よく知人を利用する。じゃがいもとソーセージの炒め物、それにザーサイ豆腐を作ってもらって、晩酌。通販で購入した『その男、凶暴につき』を観る。時代の空気が詰まっている。こんな路地、今はもうなくなってるやろうね。ああ、この煙草屋の感じ。ファンタのこの缶、よく飲んでたわ。映画から感じた「時代の空気」というのは、そういうことだけではないのだが、そうした細部にも反応してしまう。ほんとそういうとこばっか観るよねと知人が言う。ビールを飲み終えるとチューハイに切り替えた。昨日まではポッカレモンを混ぜていたけれど、今日は入れるのをやめてみた。ここ最近はビールを飲み終えてしまうと、なんだかつまらない気持ちになることが増えていた。昔はそんなことなかったのに、どうしてだろう。考えてみると、チューハイをさほど美味しく感じていなかったからだ。外で飲むとき、レモンサワーを注文することは滅多にない。酸味が苦手だからだ。だから、レモンサワーのほうがゆっくり飲むだろうと思って、自宅で飲むときにポッカレモンを混ぜるようになった。今日、久しぶりでキンミヤを炭酸で割っただけのチューハイを飲んでみると、あんまり美味しいのでびっくりした。