7月26日

 たまごかけごはんに納豆をのせて平らげ、読書。『大東京繁昌記 下町篇』をなんとか読み終えて、次は『和菓子屋の息子』に取りかかる。今日は雨だと思っていたら、晴れているのか日射しが入り始めたので、いそいそと洗濯機をまわす。寝転がって本を読んでいるうちに、日が陰り始め、雨まで降り始める。洗濯物は仕方なく部屋干しにする。昨日の夜にドキュメンタリーを観たときから、今日はピザを注文すると決めていた。ドミノ・ピザで、食べたことのない「クアトロ・ニューヨーカー」を選ぶ。生地が薄いのか、サイズが大きく、直径40センチもあるという。昨晩のドキュメンタリーに登場したフードライターが「実はドミノ・ピザも好きなんだ」と友人のピザ屋さんに告白する場面があり、そこから彼はドミノ・ピザに取材し、配達に同行する。同行するうちに、どういうわけだか彼は嫌気がさす。そこは謎だった。ケータイのアプリで注文すると、配達が始まるとGPSでドライバーの現在位置が確認できる。そこにはドライバーの名前や、趣味、好きな音楽なども表示されており、ピザを待つあいだは「サッカー観戦が趣味らしいで!」と知人に知らせながら、わくわくしながら待っている。でも、今日はGPSが表示されておらず、しょんぼりする。ほどなくしてチャイムが鳴り、ピザが届く。直径40センチはさすがに大きく、嬉しくなる。缶ビールを開け、夢中で頬張った。

 いつのまにか雨は止んでいて、セミの鳴き声が聴こえてくる。先週の日曜日に散歩していたときに、頭上に蝉の声を聴いていたけれど、部屋の中に聴こえてくるのは今シーズン初めてだ。部屋干ししていた洗濯物をベランダに干す、また雨が降り出して取り込む、そのうち雨が止んでもう一度干す――その作業を何度も繰り返す。妙な天気だ。なんとか乾かす。小林信彦『和菓子屋の息子』を最後まで読んで、付箋を貼った箇所をワードに抜き書きしておく。それを読んでいた影響(?)もあり、Netflixで『男はつらいよ』を観る。最初に寅さんが妹を殴るシーンで、知人とふたり、ドン引きする。どうしてファンがそんなに多いのか疑問に思うほど、寅さんを肯定的に語れるところが見当たらなかった。あれこれやらかしてしまうにしても、ハニカミが強過ぎてトラブルを生んでしまうのだと思い込んでいたけれど、たとえば妹のお見合いの席でも、妹や見合い相手へのサービス精神から過剰に振る舞ってしまい、結果として失礼になるというのではなく、ただ失礼なやつだ。寅さん以外の、ストーリーや登場人物の配置は見事だなと思うところはあっても、肝心の寅さんに愛着を持てなかった。妹の結婚シーンでも、白々しい気持ちになる。ふと隣の知人を観ると、最初は不満を漏らしていたはずなのに、いつのまにか号泣している。