8月18日

 7時半に目を覚ます。資源ゴミ――というかビールの空き缶の山――を捨て、ごはんを炊く。炊き上がったごはんでたまごかけごはんを平らげ、残りをジップロックに詰めて冷凍しておく。シャワーを浴びて風呂場から出てきた知人が、なにやらその場で足踏みしている。一体何をやっているのかと眺めていると、「総回診が出たで」と嬉しそうに言う。洗濯物を干していると、『AMKR手帖』で担当してくださっているAさんから電話があり、こまかな指摘があったものの、「すとんと滲みた」と言われて嬉しくなる。よかった。昼、サッポロ一番の塩とんこつ。今日は豚バラ肉を買ってきて、まずはそれをカリカリに焼く。野菜はもやしと、他に適当な野菜がなかったので青梗菜を購入し、それぞれ炒める。それをトッピングして麺を啜ると、なかなか良い味だ。午後は企画「R」の原稿を練る。15時過ぎ、『AMKR手帖』の連載にあわせて掲載する写真を撮影しておかなければならないことを思い出す。引用した文献に登場する「ブラック・ホワイト」を撮影したい――ブラック&ホワイトといえば、この洋酒のノベルティーグッズが根津のバー「H」にあったはずだ――と連想し、まだ開店前だけれど、お店に電話をする。お店にあるようであれば、注文した上で撮影させてもらえないかと相談するつもりだったのだが、残念ながら取り扱っていなかった。ブラック&ホワイトは現在、正規の取扱店がないけれど、並行輸入品は時折見かける、ひょっとしたら「吉池」でも買えるかも、とHさんが助言してくれる。お礼を言って電話を切り、「吉池」に電話をすると、Hさんの言った通り取り扱いがあった。いつもより少し早めにアパートを出て、16時過ぎに千代田線で湯島に出て、少し歩き、「吉池」でブラック&ホワイトと、目に留まってしまったオールド・パー(これも文献に出てきた)を購入する。会計してもらうとそれなりの値段になり、普段は原稿仕事で経費を請求することはないのだけれど、念のため領収書をもらっておく。16時35分にYMUR新聞に到着すると、ちょうど本が並べ始められたところで、ぼくが一番乗りだ。あの本を手に取ろうか――いや、これはもっと専門の人がいるはずだ――この本も気になるけれど、心の底から「よい」と思って書評するというより、少し話題の本だから書評する感じになってしまいそうだ――と見送っていたら、結局1冊しか選ぶことができなかった。20時過ぎに会を終えて、地下に降りる。ちょっとした待ち時間に、別の委員の方に声をかけられ、大学の授業でZINEを紹介するときに、橋本さんのZINEを紹介したり、橋本さんの『野中モモのZINE』の書評をコピーして配ったりしたんですと言われ、そんなことがあるのが信じられないような気持ち。もちろん「その方が嘘をついている」と疑っているわけではなく、そんなことってあるんだろうかと思ってしまう。自己肯定感は圧倒的にあるのだけれど、それと同時に、自分が書いたものが現世で誰かに届くことなんてないのではとどこかで思っている。余っていた缶ビールを手に、ハイヤーで送ってもらう。20時35分に帰宅し、知人が焼いておいてくれたサバの開きをツマミに、「白い巨塔」を5話の途中まで観た。買ってきたばかりのオールド・パーをグラスに注ぎ、写真を撮影した上でちびりと舐めると、ちょっと上等すぎる味がする。