8月21日

 7時過ぎに目を覚ます。たまごかけごはんを平らげ、10時からF.Tさんとオンラインで打ち合わせ。今更ながら初めての経験だが、向こうはカメラの不具合で映像が表示されず、電話で話したのと変わりがなかった。昼は納豆オクラ豆腐そば(冷)。知人も在宅で仕事をしている。16時過ぎ、5個入りのブランデーケーキを1個、おやつに食べる。賞味期限が明日までだが、3個残っている。もったいないので、知人に1個あげる。「優しいけど」と嬉しそうにしているので、なんだか申し訳なくなる。

 18時まで企画「R」の原稿を書き、気分転換に散歩に出る。根津のバー「H」に入ると、カウンターは埋まっていて、テーブル席に案内される。しかし、入れ替わるように先客が2人帰ってゆき、すぐにカウンターに移動する。皆、考えることは同じなのか。ここで飲むなら、どこかで食事をしたあとに立ち寄りたいけれど、深い時間だと酔っ払って大声で飲んでいるお客さんがいるのではと不安になってしまう。だから、早い時間に立ち寄って、何杯か飲んでさっと帰るお客さんが多いのではないか。ぼくはハイボールを2杯飲んで、一昨日の電話のお礼を言って店をあとにする。

 「海上海」でよだれ鶏と、イカの紫蘇炒めをテイクアウト。料理を待つあいだにドラッグストアに立ち寄り、ティッシュとトイレットペーパー、それにアルコール除菌スプレー、それにビオレの手指の消毒液(詰め替え用)を買っておく。何日日前に手指の消毒液を自分用と知人用とにそれぞれ買ったので、詰め替え用も買っておかなければ、と。買い込んだ荷物を抱えて帰りながら、まだまだ自分は生きるつもりでいるのだなとぼんやり考える。19時半に帰宅し、知人と晩酌。『白い巨塔』を再生しながら、「海上海」の料理をつまむ。えらく美味しく感じられ、口にするたびに「ウマ!」と声を上げると、「普段はそんなこと言わないのに」と知人が珍しそうに言う。

 『白い巨塔』はようやく第11話「天国と地獄」にたどり着く。2003年秋から2期にわたって放送されたこのドラマは、たしかこの第11話からが「第2部」とされ、年明け早々にオンエアされた。どうしておぼえているのかというと、年末年始に何度となくCMを観た記憶があるからだ。アウシュヴィッツに立つ唐沢寿明の姿を何度となく目にしたし、情報番組なんかでも「ポーランドロケを敢行」と取り上げられていた気がする。ドラマを観ながらそんな記憶を語っていると、「よくおぼえとんね」と知人が言う。「日記書いとるとそういうこともおぼえるんやね」と。そういうことではない。