10月15日

 6時に目を覚ます。朝はいつでも身体がバキバキではあるけれど、旅先のホテルで寝るよりまだマシな感じがする。ホテルの柔らかいマットレスが合わないのもあるけれど、それ以上に、使い慣れた枕のほうが楽なのだろう。沖縄に頻繁に通っていたころは、スーツケースに枕を入れていて、荷物になるのでやめていたけれど、今度からまた持って行こうかと考える。コーヒーを淹れて、昨日茹でておいた茹で玉子を2個平らげる。10時過ぎにアパートを出て、千代田線に揺られて下北沢に向かう。今日から3日間は下北沢のお店でずっと取材させていただく。ただし、ずっと居続けるというのはこのご時世に難しく、1時間ほど滞在して店を出て、1時間は外で過ごして、といった調子で過ごさせてもらうことになった。外に出ているあいだは、ロッテリアにいた。注文が対面ではなく、すべて機会になっていて驚く。もはや常識なのかもしれないけれど、あまりファストフード店に行かないので知らなかった。初日の原稿がまとめられそうになったところで、お暇する。知人が帰宅する時間に合わせてかぼちゃの煮物を作り、スーパーで買ってきたかつおのたたきをツマミに晩酌。先週の『さんまのお笑い向上委員会』、コウテイがゲストだ。振られるのを待たずに前に出ようとするコウテイに対する、先輩芸人たちのいなしぶりがすごい。そして、コウテイのひとりが「親は借金が1億ある」というトークをしていて、ふたりのどこか切羽詰まった感じというのか、「波や流れがくるのを待って」ではなく、とにかく自分たちからカチ込んでいく感じの芸風が腑に落ちる。それと同時に、そんなふうに「腑に落ちる」なんて感じるのは、出自や育ちが人柄や芸風を決めると考えているわけで、自分の中にあるその感覚が浮き彫りになる。