10月26日

 8時に目を覚ます。つけっぱなしのテレビでは、帰省ラッシュを分散させるようにと、年末年始の休暇延長を政府が提言したと報じられている。お盆は「オンライン帰省を」だなんて言っていたのに、年末年始はそう提言しないのか。最大限に神経を払えば移動しても感染リスクを減らせるはずだと思っているから、年末年始に人が移動することに対して批判的な気持ちはまったくないけれど、だとしたら今年のお盆は何だったんだろう。そんなことをぶつぶつ言っていると、「年末年始は何があっても帰る」と知人が言う。

 昼はサッポロ一番塩らーめんに、豚バラ肉とニラともやしを炒めたのをトッピングして平らげる。午後は委員会のときに勧められて持ち帰った本を読み進める。ううむ。途中で読むのをやめて、過去の『en-taxi』を引っ張り出す。Vol.24には「芥川賞作品のピトレスクな耀き」と題した特集が組まれており、そこには富士正晴の「競輪」という小説が再録されている。この小説の初出を図書館で複写して、文字にタイプしたのはぼくだったはずだけど、細かい物語のことは忘れてしまっている。この小説をじっくり読み返す。

 やけにくたびれている感じがするので、今日は酒を飲むのをやめておく。そう考えると買い物に出るのも億劫になり、冷凍庫に入っていた餃子を焼いて平らげる。20時、「路上」のページが更新される。今回は直前に修正を入れて振り回してしまった。21時過ぎに知人が帰ってきたので、沖縄旅行の計画を練る。どこに行きたいのか、どんな風景が見たいのかと尋ねてみても、「ゴン太が見れたらそれでええ」と言われるので、何をどう提案すればいいのかまるでわからなくなる。ゴン太がずいぶん老犬になってきて、寝てばかりいる。栄町市場に行くたび、ゴン太の姿を写真に収めて知人に見せていたら、ぼくが次に取材で沖縄に行くときは私も一緒に行く、という話になったのだ。23時頃まで計画を練り、1泊は海が見えるホテルに泊まってみることだけ決めておく。