1月11日

 8時過ぎに目を覚ます。コーヒーを淹れて、思いつきでオムレツを作ってみる。アイリスオーヤマのダイヤモンドコートフライパンがあれば簡単に作れるだろうと、料理動画をちらっと見て焼いてみると、卵がぼそぼそになってしまう。食パンも焼いて、知人を起こし、朝食。午前中は機内誌『C』の原稿をちょこちょこ書き継ぐ。昼過ぎに納豆オクラ豆腐そば(温)を平げ、午後は(昨日とは別の)書評予定の本を読んだ。凄惨な箇所に行きあたるたび、「うあー……」と思わず声が漏れてしまう。残酷な話を見聞きしても普段は反応することがないせいか、同じ部屋で過ごしている知人は怪訝そう。日が暮れても読み終えられず、コールスローと、セブンイレブンで買ってきたイカの七味焼きをツマミにビールを開けながら読書を続ける。知人はテレビで『10万円でできるかな スクラッチ&年末宝くじで運試し!大当たり出た!3時間SP』というのを観ている。芸能人がひたすらスクラッチくじを削り、当たった金額で飲み食いや買い物ができるという企画だ。競馬や競輪なら予想する楽しみがあるけれど、スクラッチくじはただの運で、これにハマる要素がどこにあるのかと思ってしまう――と、そんなことを書いてしまうのは想像力が足りないと言われればそれまでだけれども、番組中で「スクラッチくじには法則があるんです!」と盛り上げようとしている子を見ていても、それがハマる要素とも思えなかった。それに、「スクラッチくじにハマっている人を追うドキュメント」や「ハマっている人に魅力を語らせる番組」ならともかく、芸能人がひたすらスクラッチくじを削り、当たった金額でうまいものを食べている映像を流すだなんて、そんなふうにひとをギャンブルに向かわせる番組を放送することに物言いはつかなかったのだろうかとぼんやり考える。