2月3日

 7時半に目を覚ます。昨晩の湯豆腐の残りで朝ごはん。次回の委員会、送られてきたリストの中から、ぼくが検討したい本としてマーカーを引いて戻した本は、どれも他の委員の方と競合していると、昨晩のうちにメールが届いていた。どの本も「是が非でも自分が書評したい」と思っていたわけではなく、もし誰もいなければと消極的に手をあげていた本だったので、競合するなら他の委員の方に譲るつもりでいた。ただ、「そうすると橋本さんに検討してもらう本がゼロになってしまうので、もし『やっぱりこの本は自分が検討したい』という本があれば」と連絡が届いていたのだ。それならばと、11時に神保町に出て、「東京堂書店」と「三省堂書店」をはしごして、本を探す。何冊か気になる本はあるけれど、それはきっと次回のリストに含まれるだろうから、見送る。今はリモートで委員会が開催されているので、このあたりがもどかしい。会議室に集まって開催されているのであれば、リストに含まれていない本でも、「あれ、あの本が入ってないじゃないか」となれば、そっと会議室を抜け出して最寄りの書店で買ってきて、「誰かこの本を検討したい人がいれば」と追加することもできる。でも、リモートで開催されていると、「リストに含まれていなかったけれど、この本も検討本に」と挙げると、それは「自分が書評したい」ということが前提になってしまう。刊行からなるべく時間が経たずに書評されたほうがよいと思っているので、なるべく早めに委員会に諮りたいと思うけれど、ぼくがその本の評者として適任かどうかは別の話なので、そのあたりがもどかしい。

 あまり本は見つからず、『みすず』の読書アンケート特集号と、それから新書を1冊だけ買う。初めて「三省堂書店」の無人レジを使ってみた。無人レジを使う人は他におらず、若い世代も含めて、皆友人レジに並んでいた。「新世界菜館」に立ち寄り、中華風カレーをテイクアウト。待っているあいだ、お店の人同士が「全然読めないですね」と話しているのが聞こえてきた。昨日は昼過ぎまでひっきりなしにお客さんがやってきたのに、今日はお昼時でも席は埋まってないようだ。半蔵門線と千代田線を乗り継ぎ、千駄木まで帰ってくる。地下鉄の中でカレーの匂いを漂わせてしまって、どこか公園で食べて帰ればよかったかなと反省する。帰宅後はひたすらテープ起こし。消音にしてつけてあるテレビでは、日本に暮らしているミャンマーの人たちが大勢集まっている姿が映し出されている。その数に、テープ起こしの手が止まる。