3月21日

 6時過ぎに目を覚ます。昨日はミニストップまで歩いたけれど、すぐ近所にファミリーマートがあることに気づき、そこでハムのサンドウィッチとホットコーヒーを買って帰り、撮影のイメージを膨らませる。取材の一環として、今日は物撮りをすることになっている。いつも基本的にドキュメントとしてしか写真を撮らないので、セッティングをして配置を決めて撮影するとなると、勝手が違ってどぎまぎする。10時にホテルをチェックアウトして、小雨が降るなか会場を目指す。まずはM&Gが用意しておいてくれた照明をセッティングする。ええと、物撮りの場合の光源はと、ネットで検索した知識をもとに照明を立てる。昨日のうちに持ってきてくれていた参加者の思い出の品々から、まずは撮影を始める。

 あっという間にお昼になり、「スタンツァ」というイタリアンでお昼ごはん。一足先に会場に戻り、取材の準備を整えながら、昨日持ってくるのを忘れていた参加者の方たちから品物を預かり、撮影に取り掛かる。撮影を終えたところでワークショップの場に戻り、合間の時間を縫うように参加者の皆さんひとりひとりにインタビューする。昨日も10人近くに、今日も10人近くに話を聞かせてもらった。ひとりあたりの時間は5分ほどとはいえ、質問を練り、相手の話す感触を探りながら話をする、ということには変わりはなく、こんなにたくさんの人に話を聞いたことってなかったなと思う。

 18時にワークショップが終わり、後片づけをして、20時16分発の特急ひたちに乗り込んだ。今日はホテルに到着してすぐに眠らなければならないので――しかし車内で眠ってしまうと目が冴えてしまいそうなので――タオルで視界を塞ぎ、音楽を聴いて過ごす。最後に10数分うたた寝してしまって、22時40分、Jさんに肩を叩いて起こされる。ぴかぴかした照明を視界に入れないようにタオルで視界の大半を塞いだまま、東京駅八重洲口を出て、同じホテルに宿泊するKさん、Jさんの足元だけを見て歩く(KさんとJさんには申し訳ないけれど、ぼくは運転があるので、とにかくすぐに寝なければならない)。ホテルにチェックインし、とにかくケータイだけは充電器に繋いで、すぐに寝る。