7月31日

 5時半に目を覚ます。新聞を読むと、社説に「緩みは五輪のせいではない」と社説が出ている。その通りだ。オリンピックはオリンピックとして開催されているだけで、この時期に感染が拡大に向かうのだとすれば、それを世の中に報じた人たちの責任だろう。緊急事態宣言が拡大され、東京と沖縄は延長されてしまう。沖縄は3ヶ月以上の長期に及んでいる。そうだ、緊急事態宣言の起源に合わせて沖縄に出かけるつもりで飛行機を取っていたんだと思い出す。旧盆前の様子を見ておきたくて予約したものの、さすがにこの状況で「東京からきました」と出歩くことは憚られるし、延長されたということは酒場も営業を再開しないのだし、なによりこの感染状況で飛行機に乗るのは不安だから、予約をキャンセルしておく。緊急時短宣言期間に重なる予約だったので、キャンセル料はかからなかった。

 オリンピックが始まる直前から、情報番組をいくつか録画している。早朝は『あさチャン』、8時台は『スッキリ』と『羽鳥慎一モーニングショー』、夕方の『news every.』、それに週末の『報道特集』と『新・情報7daysニュースキャスター』と『サンデーモーニング』。この時代の情報番組がどんな空気だったのか、歴史的な資料になりうるだろうと思って、低画質で録画予約を入れている。もう『あさチャン』が始まっている時間なのに、録画ランプが灯らないなと思っていたら、今日は土曜日だった。コーヒーを淹れ、クノールのスープパスタを平らげて、いわきのドキュメントを書く。お昼は出前館CoCo壱を注文。知人はチキンカツカレー(4辛)、ぼくは海の幸カレー(2辛)。知人と過ごすようになって10年以上が経ち、昔はカレーを作るときは甘口のルーを選んでいた自分も、少しずつ辛いものが食べられるようになってきた――と思っていたのに、最近は2辛でもかなり辛く感じるので、次からは1辛を選ばなければ。

 15時にいわきのドキュメントは書き終わり、メールで送信。昨日に引き続き、アプリゲームで遊園地を作って遊びながらなので、のろのろとしかしぎとが進んでいない。続けて、「東京の古本屋」のデータを読み返し、赤字を入れていく。19時からはビールを飲みながら作業を続ける。テレビをつけると、陸上競技が始まっている。別にオリンピックでなくてもいいのだけれど、陸上競技は一度見に行ってみたい。100メートルを10秒前後で次々と走り抜けていく人たちを見て、8メートル前後も跳躍する人たちを見て、うわー、すげえなあ、と言いながらビールを飲んでみたい。

 それにしても、100メートルの予選は無情だ。走り幅跳びだと何回か挑戦できるけれど、100メートルは10秒ですべてが決まってしまう。走り終えた選手は、その方向にタイムが表示されているのか、肩で息をしながら後ろを振り返る。でも、そこに留まることはできず、スタッフが牛を追うように選手を退場させようとする。この状況下でオリンピックを開催していることへの批判を意識せざるを得ないのか、海外の選手たちはマスクをつけずにインタビューを受けるなか、日本代表はマスクをつけて受け答えをする。砲丸投げの選手たちは、市場で働いてそうな佇まいだなあ。そんなことをぶつぶつ言いながら原稿を読み返しても、はかどるはずもなく、泡盛の水割りをしこたま飲んで眠りにつく。