11月24日

 昨日の日記に、ライブで聴いた「愛はボっき」の歌詞に継いて書いたけれど、それは別に、今回初めて「まだ残り半分くらいはある」と歌われたわけではなくて、数年前にもライブでそう歌っていたことを思い出し、消えいりたい気持ちになった。どうして勘違いしてしまったのだろう。ちょっとつっかえるようにその箇所を歌っていたから、妙に印象に残ったのだろうか。8時50分にホテルを出て、劇場を目指す。稽古場に到着すると、静かな朝の時間が流れている。俳優のH.Hさんがストレッチをしている。同じく俳優で、今回の作品にはアシスタントして携わっているF.Kさんが舞台のセッティングを整えている。この作品と、12月上旬にやる作品が終わったら何がしたいかと、HさんがFさんに尋ねる。「これが終わったらバイトだわ」とFさんが笑う。「なんかさ、楽しいことしたくならない?」とHさんが言う。

 ほどなくしてF.Tさんがやってくる。今日のお昼、寿司とかいいんじゃない?とFさんが言う。寿司、どうっすか、と僕に向き直ってFさんが言う。それを聴いていたHさんが、「いいねえ、お寿司」とストレッチを続けながら言う。スシロー、美味しいよね、と。Fさんとぼくは駅前の商業ビルにあるお寿司屋さんのことを思い浮かべていたのだけれども、そこでスシロー、美味しいよね、と言うHさんの言葉に導かれるように、お昼ごはんは皆でスシローに出かけた。4人ずつテーブルに分かれて座り、タッチパネルで注文する。事前にHさんが好きだった品は聞いていたこともあり、Fさんは初手からむしえびとラーメンを注文していた。

 ぼくはまずむしえびを注文して、いくら――これは絶対にHさんが地元にいた頃にはなかったであろう提供のされかただった――を頼んだあと、むしえびを2度追加したのち、ラーメンで〆る。他の料理ならともかく、寿司となるとビールを頼まずにはおられなくて、「ほんとすいません」と断りながらビールを注文したところ、同じテーブルにいたFさんも、舞台監督のKさんも、もう、どうぞどうぞと勧めてくれる。18時過ぎに稽古は終了する。ぼくが取材して言葉にできる時間は終わったので、一足先に劇場を出る。稽古場の入り口からは平競輪場が見えた。今日から競輪が開催されているので、明るく光り輝いている。