12月5日

 8時過ぎに目を覚ます。コーヒーを淹れて、書評する本をひたすら読み込む。昼は知人の作るサバ缶とトマト缶のパスタを平らげる。ビールも一本飲んだ。今日は自分の書いた書評も掲載されている。10日間ぐらい遠出するときにも常に携帯し、どうすれば小説とエッセイを同時に書評するという暴挙を成立させられるだろうかと悩みながら書いたものだ。担当の方から「2年間の橋本書評の中でも屈指の書評では」と言ってもらえてホッと胸を撫で下ろしていたものの、誰か反応している人はいるかなと、頻繁にケータイをいじってしまって、無為な時間を過ごしてしまう。

 今日も午後はおでんを仕込み、そのあいまに本を読み込んだ。昨日の大根は美味しく仕上がったものの、ほんのり青臭さが残っていた感じがある。今日は下茹でを始めて少し経ったところで大根を皿に上げ、鍋のお湯を捨て、薬罐で沸かしていたお湯を鍋に注ぎ、そこにまた大根を入れて煮る――と時間をかけてみる。そして下茹でを終えて冷ました大根をそっと洗い、ぬめりをとっておく。そうして下拵えしているところに宅急便が届く。それは一昨日送られてきた動画の中に映り込んでいた、ガチャガチャで当たった白熊のフィギュアと、白熊のビールだ。

 18時あたりからビールを飲み始める。本の付箋に貼った箇所を写メに取り、写メをもとにパソコンにタイプして抜書きし、プリントアウトしておく。ここまでしておけば、明日には書評が書けるだろう。19時半からおでんで晩酌。大根は、手間をかけたほどには昨日との違いは感じられなかった。ビールから芋焼酎のお湯割りに切り替えたあたりで、母からメールが届く。両親に原稿を読まれるというのはやりづらいなと常々思っているけれど、今回の書評は特にやりづらさがあった(だからといって筆先が鈍ることがない、はずだけど)。「父さんは最後の一文がともくんらしいと嬉しそうでした」とあり、らしさって、どこの何をと、ぼんやりテレビを眺める。