12月18日

 7時過ぎに目を覚ます。界隈を散策すると、「ポーたま」に少し行列ができている。観光客が戻ってきているようで何より。11時に「かどや」へ。いや、昨日は寒かったですねと伝えると、「東京からきても、寒いと感じます?」とお店の方が笑う。いや、私たちはすっごく寒く感じるけど、観光できてるお客さんなのか、半袖で歩いている人もいてびっくりして――と。ロースそばをいただく。宿に引き返して、原稿を書き始める。ベッドに腹這いになって書いたり、仰向けになって書いたり、たまにテーブルで書いたり。15時過ぎに完成し、ファミリーマートで出力して、取材させていただいた方に手渡しにいく。

 界隈を散策しながら、今後の取材のことをぼんやり考える。Uさんのお店は別の方が店番をしている。霧雨が降ったりやんだり。のうれんプラザに向かうと、ちょうど「丸安そば」の前に店主のNさんの姿があり、ご挨拶。過去の記事のコピーを渡していたものの、「あんなに大きく載るとは思わなくて、びっくりしました」とNさんは笑う。いろんな人から「新報に載ってたね」と言われて嬉しかったとおっしゃっていただき、ほっとする。付き合いのある銀行員の方が、僕のことを知ってくださって(『市場界隈』も読んでくださって)いたらしく、「ええ、この方に取材してもらったんだ?!」と驚いていたそうだ。自分の書いたものを銀行員の方に読んでもらえるのは、新報で書かせてもらっているおかげだろう。

 昨日から冷え込んでいることもあり、ほとんど外飲みに近い市場界隈のせんべろのお店は空いているかと思っていたけれど、どこも大賑わいだ。16時50分、「パーラー小やじ」に行ってみると、表のテーブル席が空いている。店員さんに尋ねてみると、やはりNさんが電話をかけて予約しておいてくれたテーブルだったので、そこに座ってビールを注文。17時ちょうどにNさん夫妻がやってきて、「乾杯」。近況をしばらく話したあとで、やはり「オミクロン株、確認されましたね」という話になる。Nさんはさまざまなイベントを担当されているが、緊急事態宣言が取り下げられてからも、「絶対にまた感染が拡大するときがやってくるから、感染症対策を徹底して、客席を間引いてイベントを開催するように」と上司から言われているという。

 18時半から予定が入っていたNさん夫妻と別れ、ひとりで栄町市場まで歩き、「東大」。昨晩「よいお年を」と言っておきながら、結局今日もきてしまった。最近は17時オープンとあって、もう食事を終えて会計をしているお客さんもいる。僕はカウンター席に座って、ミミガーとマメの刺身をツマミながら、iPadで再校を読み返す。ボトルを半分近く飲んで、最後におでんも平らげる。あらためて「良いお年を」と挨拶して、市場界隈まで引き返す。