12月22日

 

 コーヒー豆が切れている。そうなると「よし、そろそろ体を起こしてコーヒーでも淹れるか」というスイッチを入れられず、いつまでも布団の中でぐずぐず過ごしてしまう。最近はケータイをいじり過ぎて腱鞘炎気味だ。最初のうちは何か病気なのかと怯えていたけれど、冷静に考えると腱鞘炎だろう。どんどんiPhoneのサイズが大きくなるせいで、手にダメージが蓄積されている。昼近くに、編集のHさんからカバーのデザイン案が届き、おお……としみじみした気持ちでしばらく見入る。その写真は自分が撮影したものではあるのだけれども、「ああ、そうです、この本の表紙はこれでした」という気持ちになるから不思議だ。

 カバーを剥がしたところの表紙写真については候補が6パターンある。カバーを外したところにその写真があらわれるという意味も含めて、個人的には「これがベスト」というものがあるのだが、許諾が必要なところがありそうで、電話をかけてスケジュールを確認する。今日の17時までに許諾が取れそうならその案で、確認が取れなければ別案にすることに決めて、許諾が取れそうか打診する。それと同時に、知人に表紙案を転送して、見てもらう。「別にあなたの意見だけで決めるわけではないから」と前置きした上で、意見を聞く。知人は、なんというか普通の感覚を持っている人なので、その声を参考にしたい。ぼくがベストだと思っていたカットは(その意味を伝えていないせいもあるけれど)知人の選んだものには入っていなかった。

 そうか。と思いながら、コーヒー豆を買いに出かける。ついでにスーパーが経営するワイン屋さんも覗き、クリスマスに向けて手頃な赤ワインを2本と、白ワインを1本購入する。ああそうだ、去年は年の瀬に出かけて大行列に巻き込まれたんだったと思い出し、「I本店」にも立ち寄る。前に接客にぶちぎれて帰ったものの、それとこれとは別なので、ちょこちょこ買い物には出かけている。年末年始に向けて日本酒(五合瓶)を3本購入し、両手に酒便を提げて帰途につく。17時までに許諾は取れそうにないので、まあでも、それと並ぶ写真があるとすればこのカットだろうという案を選んで、メールで返事をする。知人の帰宅を待って、カブと油揚げの炒め物と、かぼちゃの煮物を作り、ビールで乾杯。