1月10日

 6時過ぎに目を覚ます。「環境音」で検索し、安曇野のせせらぎと鳥の鳴き声を聴きながら、ぼんやり横になって過ごす。ストレッチをして、9時にジョギングに出る。まだ松飾りを飾っている家もある。そういえば、東京でもとんど祭りはあるのだろうか。不忍池を短いルートでまわり、引き返す。年明けから考えている原稿のこと、坪内さんの『東京』と『玉電松原物語』を読み返しながら、ああでもない、こうでもないと考える。東京とはいえ、自分が暮らしていない土地に関わることや、自分とは異なる世代の誰かを含めて何か言おうとすると、こんなふうに筆を振るったときに誰かの何かを損なってしまわないだろうかと、いつにもまして慎重になる。夕方になってどうにかまとめ終えて、メールで送信。

 今日も頭痛と、蕁麻疹が少し出ている。19時、知人の作ったキムチ鍋で晩酌。キムチ鍋の素は甘いからと、素を使わずに作ったらしいのだけれども、ウマイ。「調味料を混ぜ合わせて味を作る」という能力がほとんどないので、ネットのレシピを参考にしたとはいえ、感心する。昨日途中で眠くなり、ストップしていたところから『ドント・ルック・アップ』を再生する。どうしてそのラストの状態になったのか話が繋がらず、一時停止していたところから10分ほど巻き戻して、ようやく話が繋がる。映画を観たあとは、同じくNetflixで『オクトパスの神秘: 海の賢者は語る』を観た。海ってすげえなあ、タコってすごいなあ、こんなにのめり込む人っているんだなあと思いながら眺めていた一方で、知性があるものを擬人化して捉える文化と、思っていたよりかはタコと人間の接触はなかった。

 ビールを2本飲んだあと、知人が買ってきたロゼワインを飲んでいたのだけれども、あまり酒は進まなかった。21時からはリアルタイムでフジテレビの新ドラマ『ミステリと言う勿れ』を観る。フジテレビっぽい質感のドラマだなと思うところもあるけれど、配役が面白い。遠藤憲一伊藤沙莉など、「もちろんストレートな演技もできるけど、コミカルな演技をやらせても達者」という人を、ストレートな演技で起用していて、かえって新鮮に見える。その一方で、ややコミカルなキャラクターを演じる尾上松也は、どこか一皮向けた感じがある。楽しみなドラマだ。リアルタイムで観終えたあと、録画してあった『恋せぬふたり』を再生してみたけれど、こちらは10分で再生を停めた。