1月17日

 5時過ぎに目を覚ます。昨晩の酒が残っている。今日は酒を控えたほうがいい気がするけれど、現時点で楽しみにしているドラマは月、火、土曜に放送があり、好きなバラエティ番組は水曜日に放送がある。これを軸に休肝日を作るなら木曜、金曜、日曜になるのだけれど、昨晩はトークイベント中にストローでビールを飲んでしまった(前にストロー飲酒を試したのは350ミリ缶で、昨晩はロング缶だった。ロング缶だと、ストローを刺しただけで炭酸(?)がストローから少し噴き上がってくるので少し動揺した)。トンガの現状をネットで探してみたけれど、まだわからないことが多いようだ。一昨日のキムチ鍋の残りを冷やしておいたぶんを温め直し、朝食にする。

 コーヒーを淹れて、コートをクリーニングに出しにいく。9時45分頃にお店の扉を開けると、まだ開店前の空気が流れている。あれ、表のガラスにカッティングシートみたいなので貼り出してある営業時間は9時だったよなと狼狽えていると、奥から店員さんが出てきて、すみません、今は営業時間が短くなっているんですと頭を下げる。いやいやまたきますと伝えて、部屋の掃除をして、もういちどクリーニング屋に出かける。

 汁気のあるものが食べたくなって、昼はサッポロ一番塩らーめんに、キャベツと豚肉の炒め物をのっけて平らげる。味付けが濃くなり過ぎた。午後、チラシの入稿用データを作り、メールで送信。いくつか変更点があり、二度送り直した。15時に家を出て、秋葉原PCR検査を受ける。ここで検査を受けるのは12月31日以来だ。あのときは年明けに帰省するのであろう人たちで予約が埋まっていて、年の瀬感を感じていた。ただ、すでにオミクロン株の市中感染が始まっていたとはいえ、あのときはまだ感染者数が少なかったから、会場にはさほど緊張感がなかったように思う。今は特に人の移動が増える時期でもないのに、検査会場に列ができていることからも、どこかぴりついたものを感じる。列に並んでいるあいだに唾液を溜めておいて、すぐに検査を終えて会場をあとにする。

 神保町まで歩く。新刊台をぐるりと眺める。『ルポ路上生活』が平積みになっている。しばらく前に往来堂書店で手に取ったことを思い出す。オリンピック開幕から2ヶ月のあいだ、路上生活を体験したという著者が、まえがきのところに「都内のホームレスは飯に困ることはまずない」と書いていたことを思い出す。それはそうなのだろう。ただしそれは、誰かに頼ることができるという前提があればこそだ。新刊台から『父ガルシア=マルケスの思い出』を手に取ったのち、からちくま文庫の棚を眺める。解説ってどう言う人が書いているのか、気になった本をあれこれ手に取る。『すばる』と一緒に本を買って、外に出る。すずらん通りの「A屋」をちらりと覗いてみると、相撲をやっている時期だからか、テーブル席に何組かお客さんの姿があった。

 古書会館には何台もバンが止まっていて、落札された本が積まれている。坂を上がりながら、『すばる』の新連載、柴崎友香「続きと始まり」を読みながら歩く。今日まで取っておいたわけではなく、近所の書店には並んでいなくて買うのが今日になったのだけれども、期せずして1月17日のことも描かれている。登場人物に演劇の宣伝に携わっている人がいて、知人なら何を思うだろうかなと考える。成城石井で二日分のツマミとワインを買って、帰途につく。19時、知人と晩酌。『ストレンジャーシングス』のシーズン1の最終話を観たあと、『ミステリと言う勿れ』を観る。1話で感じた新しさがまるでなく、ただのサスペンスになっていてがっかりする。