1月18日

 7時半に目を覚ます。あまり早起きできなかった。体も重く、ちょっとゆったりめに起きて、ジョギングに出るのは9時過ぎにしよう――と思ったところで、そうだ今日は朝から取材があるんだったと思い直す。コーヒーを淹れて、たまごかけごはんを平らげて家を出る。9時27分発の千代田線は、この時間でも肩が触れそうなほど混んでいて、少し嫌になる。都営新宿線に乗り換えて、森下へ。10時過ぎに1本目の取材が始まり、11時半からは同じ場所で鼎談を収録する。そこには自分の書いた原稿の話も出てくるので、少し不思議な心地がした。収録が終わったあと、稽古場を少しだけ覗かせてもらった。取材で入るわけでもないとなると、どこに身を置いたものかとふわふわしてしまう。

 13時過ぎ、神保町に出る。まずは「ランチョン」に入り、窓側の席に案内される。どうしよう。カツサンドが食べたいけれど、全部食べると満腹になってしまう。テイクアウトはやっているお店だけど、食べきれなかったぶんを持ち帰ることってできるのだろうか。おそるおそる店員さんに尋ねてみると、持ち帰れるようだったので、カツサンドと生ビールを頼んだ。靖国通りを挟んだ向かい側、小宮山書店と田村書店はシャッターが降りている。ビールを飲み切ったあたりで、カツサンドが運ばれてくる。包装してもらう手間をかけるぶん――というわけでもないけれど、もう1杯ビールを頼んで、カツサンドを2切れ頬張り、最後の1切れを包んでもらう。アルミホイルに包んで、小さな手提げ袋に入れてくれた。

 「東京堂書店」を覗いたあと、本の雑誌社に立ち寄る。今日の朝日新聞に、『東京の古本屋』のサンヤツ広告を出してくださっていたので、もし現物があれば本の雑誌社で見たいと思ったのだ。夕刊と一緒に届く予定だそうで、まだ現物はなかったので、お礼だけ言って引き返す。何か手土産でも持ってくればよかったかなと、ランチョンの小袋を提げているぶん、余計に思う。坂を上がり、御茶ノ水駅から新御茶ノ水駅へと続く道を歩いていると、熊手を掲げて歩く人の姿があった。神田明神の文字がちらりと見えた。熊手というと11月の印象が強いけれど、新年に売るところもあるのかと、上京して20年経って知る。15時過ぎに帰宅して、明日からの遠出に備えて荷造りをする。