2月17日

 7時過ぎに目を覚まし、溜まっている洗濯物を洗う。コーヒーを淹れて、たまごかけごはんを平らげ、古い空気清浄機を粗大ゴミとして出しておく。返信しそびれていたメールを返す。土井先生が動画で紹介していた方法で米を研ぎ、炊飯する。その動画だと、お米を洗ったあと、ざるに30〜40分あげておき、水を吸って膨らんだお米と同じかさの水を入れて炊飯するのだと紹介されていた。その通りにやって炊飯してみると、やわやわなごはんが炊き上がる。よく考えたら、いつもより多い分量の水を入れて炊いたわけだから当然なのだけど、何が間違っていたのだろうかとぼんやりしながら中村屋レトルトカレーを温めてお昼にする。

 15時、渋谷に出る。やはり別の街みたいだ。15時から、インターネットで配信される番組の収録。ちゃんと質問に答えられているだろうかということと、さしさわりのあることを言っていないだろうかということを考えながら話すのは大変だなとあらためて思う。取材を受けるだけなら、言葉に詰まっても平気だけど、収録だとそういうわけにもいかない(収録だから編集がきくとはいえ、あまりお手数かけるのも申し訳ないし、不自然になるだろうし)。誰かの何かを損なうことを言っていないだろうか、大丈夫だろうかと思いながら、同じビルの中に入っている「HMV &BOOKS」ヘ。あれ、アイドルグループのCDやパネルだらけだなと思っていたら、本はもうひとつ上のフロアだった。結局本は買わず、一つ下のフロアで見かけた映画の棚から、『はなればなれに』のブルーレイを買った。

 本を大きく展開してくださっている「大盛堂書店」にも立ち寄る。『日本バッティングセンター考』が並んでいたので、購入することに。レジには店員さんがひとりしかおらず、長蛇の列ができていた。帰りの電車でさっそく最初の章を読む。面白いテーマだと思うし、あまり記録されてこなかった戦後史という点ではたしかにドライブインと近しいものを感じる。ただ、テーマとは別のところ、文章そのものについて言うと、自分は少し違う方向を目指しているなと感じる。これは今回に限らず、ルポルタージュやノンフィクションを読むとそう感じる。もちろんこれは、「自分が目指している道だけが王道で、それ以外は間違っている!」と主張したいということではなく、それぞれ異なる山を登っているという話に過ぎないのだけれど。

 千代田線に乗って引き返していると、ちょうど17時過ぎたあたりで根津を通りかかる。今日は知人も仕事で遅くなると言っていたし、どうせひとりで晩酌することになるので、バー「H」に立ち寄ってみる。店内からは特に賑やかな声も聴こえてこず、入ってみると先客がおひとりだけ。やはり蔓延防止云々が出ると、途端にお客さんが減ってしまい、最近はずっと暇だとHさんがそのお客さんに話している。急ぐこともないので、ゆっくりハイボールを2杯飲んだ。家に戻り、湯豆腐を作り、『苦役列車』を読み返しながら晩酌をする。22時には眠ってしまった。