3月29日

 昼過ぎ、市川へ。気になったF2.8のレンズはカメラのキタムラ市川店に中古品の在庫があるらしく、お店まで行ってみる。大学時代の友人であるAさんが住んでいた頃はちょこちょこ遊びにきていたけれど、Aさんが引っ越してからは一度も訪れていなかった。キタムラは駅ビル「シャポー」の端っこに入っているらしく、そこを目指して歩きながら、「本当にここにレンズの在庫があるのだろうか?」と不安になる。フロアマップをみると、かなりこぢんまりした店舗のようで、そこで中古のレンズを販売しているのだろうか?と。予想通りこぢんまりした店舗だったが、店頭の小さなショーウィンドウに、僕が探していたレンズが並んでいた。すぐに購入し、カメラに装着する。駅前をぶらりと歩いていると、右足の付け根が一瞬痛む。数日前にも、外を歩いているときに一瞬痛みが走り、足が外れたような感覚があり、それ以降歩くのが少し怖くなっている。

 16時に日暮里駅の改札で待ち合わせ。駅前のセブンイレブンでお酒を買って、Fさんを覗くボエーズの皆で谷中霊園を歩く。桜はほとんど満開だ。「すっばらしいなあ」と、桜を見上げてムトーさんが言う。自分は桜を見て「素晴らしい」と思っているだろうか、ただ漫然と「咲いているなあ」と思っているだけじゃないかと考えながら歩く。途中で広津和郎のお墓を見つける。散文精神――と、ほとんど広津和郎の本を読んだこともないのに、その言葉ばかり繰り返している。セトさんは丁寧にお墓に手を合わせていた。途中に公園のような一帯があり、まだ整備されてまもない感じがする。そこにあるのは渋沢栄一の墓だった。

 墓地を歩いていると、人の家の前をぶらつているような感じもして、缶ビール片手に歩くのがどこか憚られるような心地もする。近くに住んでいるけど、霊園に普段から馴染んでいないからだろう。中には「お名刺拝受」と名刺入れが設置されている墓もある。故人(というよりその遺族)に対して「ちゃんと墓参りにきてますよ」と知らせないといけないような関係は窮屈だなと感じる。日が暮れたところで「こなや」に入り、乾杯。セトさんがある話をしているあいだ、Kさんがどんな気持ちでいるんだろうと気になってしまって、つい話に割って入って止めてしまう。普段ならきっと言わずに過ごしていただろうけど、きっと酔っ払っていたのだろう。

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