4月8日

 今日はジョギングに出るつもりだったけど、まだ腰に不安があるのでやめておく。9時過ぎにホテルを出て、むつみ橋交差点のスターバックスコーヒーでアイスコーヒーを買ってきて、ファミリーマートのミックスサンドと食べる。10時から1時間ほどZoomで打ち合わせ。12時、取材させてもらう約束をしていた「M」で、開店前に20分だけ話を聞かせてもらう。開店直前の14時55分にもう一度お邪魔して、内観や外観、それにお店の方を写真に撮らせてもらう。

 17時、近くでコーヒー屋さんをされているJさんと待ち合わせ。2018年からちょこちょこお邪魔しているお店で、いちど取材のお願いをしたこともあったのだけれど、「常連のお客さんだけでゆっくりやっていきたくて、申し訳ない」と断られていた。そのことをずっと気に留めてくださっていたのだろう、そこでコーヒーをテイクアウトするたびに、「こんど飲みに行こうね」と声をかけてくれていた。「こんどまた」が続き、水曜日にお店に伺ったときに、「このままじゃ行けないままになるから、今もう日付を決めよう!」と約束をして、ようやく飲みに行くことになった。

 向かった先は「パーラーK」。ここなら半分外みたいな席だから安心して飲めるし、料理も酒もうまく、Jさんもときどき飲みにくるのだという。ビールで乾杯して、Jさんにあれこれ話を聞かせてもらう。Jさんは復帰の年に高校1年生で、特に復帰というものを意識することはなかったものの、お袋から溜めてあったドルを預けられて、円に替えてもらうための行列に並んだ記憶があるという。ドル札はすべて同じサイズなのに対して、円はサイズが違うから、財布を買い替えたこと。アルミの1円玉は珍しく、同級生たちと「1円は水に浮くらしいぞ」と噂になり、コップに水を張って1円玉を入れてみたこと。あれこれ思い出を聞かせてくれる。

 お店に入ってすぐに、「今日は自分が出すから」とJさんがおっしゃった。いやいや、そんなわけにはと言葉を返したものの、「いいんだよ、何より僕自身、若い時にはそうやって先輩におごってもらってきて、今度は自分が年下の世代におごる番がきたんだから」とJさんが言うので、おとなしくご馳走になることにした。いつもなら日本酒を飲むところだけど、それだと割高になるのと、何より日本酒をすいすい飲んでいたら酔っ払って話を忘れてしまうのがもったいなくて、ずっとビールを飲んでいた。

 2時間半ほど飲んで、Jさんと別れる。時計を見ると19時半で、今ならまだ間に合うかもと、ライブハウスの「o」へ。店長のツイッターで、今日はアナログフィッシュのライブがあると知り、16年くらい前にCDを数枚聴いた程度だけれども、なんだか気になっていた。向かってみると、当日券も出ていて、アナログフィッシュの出番はまだこれからだという(数組出演すると把握していなかった)。ハイボールを飲んでいると、ほどなくしてアナログフィッシュのステージが始まる。知っている曲はないけど、楽しい。特に「YAKISOBA」という曲が印象に残った。その曲は、前に沖縄でライブをしたあと、バーベキューをしながら飲んでいたときに浮かんできた曲だとMCで語られていた。

 ライブは楽しいのだけれども、やっぱり、他の客の振る舞いに対してくさくさしたことを考えてしまう。もう結構酔っ払っているのか、演奏中もライブそっちのけで、肩を組み合うようにしては大声で話し合っている数名がいて、せっかくライブハウスに来てるんだったら演奏中ぐらいひとりきりの時間を楽しめないものかと思ってしまう。もちろん、別にどんなふうに過ごしたっていい場所だと頭ではわかっているし、ZAZEN BOYSの「自問自答」でいうところの、「徒党を組んで安心しきっとる奴等や」というフレーズのあとに続く、「孤独主義者のくだらんさや」という言葉はまさに自分のような人間に突き刺さる言葉ではある。あるのだけれども、いや音楽聴けやと、どうしても思ってしまう。

 終演後はゆいレール安里駅に出る。「東大」を覗くと、お客さんがひと回転して落ち着いたところだ。カウンターに座り、知人から送ってもらった画像を開く。昨日、H.Kさんが連載の告知を投稿されていたのだが、そこに「丸玉食堂」の肉めしが映り込んでいて、早く読みたくなり、ただし沖縄では雑誌の発売は数日遅れるので、仕事帰りの知人に買っておいてもらって、「めしとまち」のページを写メして送ってもらっていた。おでんをつまみながら、iPhoneの画面をじっと読んだ。