1月7日

 3時半に目を覚ます。今日の日の出は6時55分だと調べた上で、テープ起こしを進める。6時になってカーテンを開けてみると空が白み始めていて、慌てて着替えて外に出る。ウェザーニュースによると、現在の猪苗代町の気温はマイナス7℃となっている。来月の北海道行きに備えて購入したばかりのユニクロのアウター(一番暖かいやつ)を着てきたのだが、「寒い」という感じはまったくしなくて驚く。しばらく湖畔に佇んで、部屋からの眺望を撮影し、また湖畔に戻ると、さっきは数羽だけいたはずの白鳥がいなくなっていた。さすがにこの時間だと誰もいなくて、絶景を貸し切りだ。昨日の夕方に、なんどもレンズを付け替えたせいでセンサーにホコリがついてしまい、今回はブロワーを荷物から省いてしまったせいでどうにもならず、ホコリが目立たない位置に収まるように(あるいはあとで修正しやすい位置に入るように)苦心しながら写真を撮る。日が昇ったところで部屋に戻り、テープ起こし。10時から少しだけまた取材をして、駅に向かう。

 12時54分発にも間に合いそうだったけれど、それに乗っても乗り換え時間が長くなるだけで、日暮里の到着時刻は変わらないようだ。せっかくなので、駅前にある「万平」というお店に入り、ブレンドを注文する。ガラス越しに駅のロータリーが見える。入店したときは無音だったが、ほどなくしてマイルス・デイヴィスが流れ出す。建物には「おみやげ・喫茶」と看板が掲げられており、入り口は二つ用意されているけれど、中で繋がっている。コーヒーを淹れてもらうあいだに土産物コーナーを観にいくと、民芸品が少しだけ並んでいた。お菓子とかお酒を売っている土産物屋さんってないんですかと尋ねてみると、「昔はあったんだけど、皆なくなっちゃった」とお店の方が言う。ぼんやり原稿のことを考えていると、小さいこどもをふたり連れた家族連れやがってくる。聞こえてくる会話から察するに、これからリゾートホテルに泊まるらしく、駅前にやってくる送迎バスを待っているようだ。今日から3連休なのか。「リゾート」というのはひとりで訪れる場所ではなく、こんなふうに家族連れで訪れる場所なんだろうなあとぼんやりする。

 快速に乗って郡山に出て、こまめに乗り継ぎながら南下する。最初の快速は(おそらく郡山で新幹線に乗り換えるのであろう)旅行客で混み合っていて、郡山から先は(おそらく青春18きっぷで北から乗り継いできたのであろう)乗客で混み合っていた。青春18きっぷで移動している人というのは、気配でわかる。向かいには青春18きっぷで旅をしているらしい親子がいて、「お父さん、これで×回目の乗り換えだね!」と小学校低学年くらいのこどもが言っている。どうやら仙台まで出かけてきた帰りらしく、退屈を紛らわすようにずっと父親にしゃべりかけている。青春18きっぷだと小人料金はないのだろうかとふと考える。新白河まではパソコンを開いて原稿を書いていたが、そこから先はみっしり席が埋まり、パソコンで作業をすると隣の客に肘があたってしまうので資料を読んでいた。宇都宮からは15両編成になるので、ようやくゆったり過ごせるようになる。19時過ぎに西日暮里まで戻ってきて、セブンイレブンで惣菜を買って帰る。知人はライブに出かけているので、資料を読みながら酒を飲んだ。