1月27日

 7時半に目を覚ます。8時になると、知人はテレビをつけ、「そうや、今日の『ラヴィット』は(佐野)晶哉が出るんやった」とTBSにチャンネルを合わせる。「こっちが好きなもんばっか見させられとるらしいけん、国会中継に変えるわ」と、後ろからぶつくさ文句を言いながら『ラヴィット』を観る。「市場グルメのスペシャリスト」が「築地の絶品夜明けのグルメ」を紹介している。最初に紹介されたのは、「朝6時30分開店 昭和30年創業 たったの30分で完売 “日本一”の超極細麺を使った限定ワンタン麺」、月曜と火曜だけ、それも20食限定のワンタン麺だそうで、午前7時には売り切れるのだという。「ご主人から『ごめん、今日売り切れ』って何回聞かされたことか」と“スペシャリスト”が切り出すと、「たまにお昼ごろきて、『ワンタン』なんて言うから、ギャグかなと思います」と店主が返す。ギャグで言っているとしても小粋ではなく、どこかに長く通う人には、こう、ずるずるした人が多い気がする。

 今日こそはとテープ起こしを進める。お昼近くに『ひるおび』が始まり、5類引き下げで何が変わるのかと紹介している。感染症対策は、「これまで政府・専門家が決めていた」ところから、これからは「市民が納得できる選択をする」とボードに書かれている。そして、これからはイベントも100パーセントの収容率で声出し解禁になると書かれている。ライブ表現から足が遠ざかりそうな感じがするのと同時に、これまでの3年間は何だったのかという気持ちになる。ごく初期にはライブハウスが悪所のように見做され、クラスターを発生させないようにと工夫しながら公演を再開させてきたこの数年の営みは何だったのか。

 知人も在宅で仕事をしているのと、島大根がもう少し残っているのでイリチーを作り、知人に味噌汁を作ってもらってお昼にする。午後もテープ起こしを進める。夕方になって、春に刊行予定の本について、記事ごとのタイトルを考える。ゼロから考えるのは苦手なので、いちど叩き台になるテキストを編集のMさんに考えてもらっていたのだが、それを見ているとアイディアが浮かんでくる。