2月5日

火曜日には内視鏡検査がある。検査に向けて、朝5時から大腸の洗浄剤を飲み始めなければならない。ただ、前日はもうお酒が飲めないので、お酒の力で早めに寝る、ということもできない。だから、今日あたりから早起きに切り替えられるようにと思っていたのに、目を覚ましたときには7時半をまわっている。『サンデーモーニング』を眺めながら、ドキュメントを書く。昼は知人の作るサバ缶とトマト缶のパスタを平らげる。出来上がった料理を見て、あ、結構ブラックペッパーが入っているんだったと思い出す。皮や種は、避けるべき食べ物に含まれていた(ただ、そういった食材を「前々日から控えるように」と書いている病院もあれば、「前日からは控えるように」と書いている病院もあるから、まだ大丈夫だろう)。

 手術のことを考えて、少し暗い気持ちになりながら作業を進める。競馬は今週も外れてしまった。16時半、知人は打ち合わせに出かけるというので、僕も一緒に部屋を出る。食べてもよさそうな食材を物色して、ほっけの開きと、生ハムと、ポテトチップスを買って帰る。18時からひとりで晩酌をしながら、原稿を書く。テレビでは『ベスコングルメ』をやっている。散歩をして腹を減らして、ベストコンディションでビールと料理を平らげるという番組だ。浅草から銀座まで、9キロ近く歩いて1杯目のビールにありついた姿を眺めながら、いいねえ、ビールってたまんないよねえという表情を、テレビの前でひとり浮かべていることに気づき、何をやっているんだろうかと冷静になる。知人が帰ってくる時刻に合わせて、冷蔵庫の中に残っていたカブと油揚げの炒め物を作る。これは僕は食べられないので、知人にだけ食べさせる。晩酌をしながら、『ガンニバル』の最終話を観た。原作者が地方出身なのは知っているけれど、最初から最後まで「田舎をなんだと思っているんだろう?」という気持ちが浮かんだままだった。