3月15日

 5時半に目を覚ます。コーヒーを淹れて、洗濯機をまわす。明日から沖縄だ。3月は服をどうするかが悩ましい。天気予報をみると、滞在期間の最高気温は24度か25度、最低気温は18度から20度だ。普通に考えれば半袖で過ごせるところだけど、3月に沖縄に出かけたときの記憶を思い返すと、風が強いせいかかなり肌寒く感じたおぼえがある。迷った挙句、半袖数枚と、長袖2枚を詰めておく。

 昼間はずっと羅臼のテープおこしをやっていた。昨日あたりから、取材させてもらった方から「本が届きました」と連絡が届き始めた。おそらくクリックポストで送られたのだろうけれど、クリックポストで沖縄に送るとこんなに日数がかかるのかと驚く。月曜日に発送されたはずだから、丸1週間かかっている。それならもっと大急ぎで発送してもらうべきだったなと反省する。取材させてもらった方に届く前に店頭に並んでしまった。

 午後もずっとテープおこしを続ける。明日からしばらく家を空けることになるが、そうなると家の隅々が気になってくる。洗面台と風呂場と流し台にパイプユニッシュをかけ、ぬめりをきれいにして、それぞれの場所をきれいに掃除しておく。洗濯機のネットに詰まっていたホコリも取り除き、洗濯機をもうひとまわしする。普段は洗濯を僕が引き受けていて、今の時期だと花粉がつかないようにとほとんどのものは部屋干しにしている。何点も部屋干しするには(そしてエアコンの風を当てて早めに乾かすには)、高いところに吊るす必要がある。知人ひとりだとそれは難しそうだから、洗濯が最小限の回数で済むように、知人の部屋着も今日のうちに洗っておく。夜は知人と晩酌をしながら、『FROLIC A HOLIC』というライブの映像を配信で観た。チケット代は配信でも4500円とかなり強気の価格だ。普段聴いているラジオ番組で絶賛されていたのだが、観てみると平凡な「お芝居」という感じしかしなかった。会場の規模が大きい上に、配信用のカメラでしっかり抑えられるようにと動きが設計されているせいもあるのかもしれないが、ずっと台本を読まされているような時間にしか感じられなかった。新しい表現というより、バナナマンおぎやはぎの『30minutes』を観たときに感じた新しさの延長線という感じだ。それを求めて武道館が満杯になっているのだから、それはそれで素晴らしいことなのだろうけども、目新しいものはなかった。400円という値段を知っても「配信をみよう」と思ったのは、吉住の演技が絶賛されていたからだ。ただ、最初の「コント」に登場する吉住は、やけに「演劇的」な物言いをする役どころなのだけど、彼女は「元・舞台女優」という設定になっていた。そこにわざわざ「舞台」という言葉をつける時点で、致命的にセンスがないと感じる。いつまでその世界観にいるのか。全部を観る気にはとてもなれず、時間を飛ばしてオードリー若林が出るところを見ると、ちゃぶ台をひっくり返すかのように暴れ回っていて、配信を買ってよかったなと思う。『午前0時の森』でも時々感じることだけど、ちょっとビートたけしのような気配を感じる瞬間がある。