夕方、御茶ノ水にて『S!』誌の収録。今年初のビアガーデンだ。2時間半ほどで収録が終わり、高田馬場に引き返して、知人と落ち合って近所の酒場で日本酒を飲んだ。

 数杯で引き上げてアパートでテレビを眺めていると、23時過ぎ、「今、飲んでますよ」と連絡が入る。池袋に向かってみると、明日は休演日とあって、ほぼ全員揃っている。ビールを頼んで皆と乾杯。飲んでいると「え、橋本さん、地方公演はこないんですか」と言われる。何人かに言われた。この作品は――いや、これはこの作品に限らずいつも思っていることだが――“全部の場所で観る”ということが目的になってはいけないと思っている。だから、地方公演は沖縄と新潟だけを観るつもりでいたのだけれど、こうも何人にも言われていると、観に行かないのは不誠実ではないかという気がしてくる。記事にしたからもう自分には関係ないだとか、そういう態度で接することはできない。取材するというのは、そういうことだと思っている(他の人にもそれが当てはまるかどうかは別として)。

 0時過ぎに河岸を変え、何度か出かけたことのあるバーに入る。注文した飲み物がなかなか運ばれてこず、マスターを呼ぶと、少し酔っ払っている様子だ。「もう、何杯も作ったりできないから、もう、こんな時間だから、ワインをボトルで出すから、好きなだけ飲んで」。その言葉に甘えて、瓶が空になるまでワインを飲んだ。