7時過ぎに起きて、ジョギングに出る。不忍池を眺めて引き返す。午後、浅草へ。まずは「書肆スーベニア」に納品したのち、「水口」に入り、サッポロの瓶ビールとシューマイ。今日は空いている。ビールが空いたところでチューハイを頼んで、いり豚も注文。隣に老夫婦がやってくる。女性は車椅子だ。僕は6人がけのテーブルの真ん中に座っていたので、一つ席をずれる。ご夫婦は八王子からやってきたのだという。まぐろのブツを頬張りながら、男性が女性に「どうだ、久しぶりに東京に出てきて、満足したかい」と話しかける。女性はその言葉に答えず、味噌汁を啜っていた。

 「Readin’ Writin’」にも納品したのち、今日こそレモンパイの店に入ってみようかと迷うも結局入らず、「ペリカン」に立ち寄る。次から次にお客さんがやってきて、ぽんぽん売れてゆく。僕も食パンを一斤購入し、合羽橋で2千円のブレッドナイフを買って帰る。パンを切るときってどういうふうに切ればいいんですかと店員さんに訊ねてみたのだが、妙なことを聞く客だなといった表情で「普通に引いて切ってもらえれば」と返されてしまった。14時半にはアパートに戻り、『月刊ドライブイン』の構成を考え始めたところで電話がかかってくる。昨年末に収録するはずだったインタビュー、流れてしまっていたのだが、あらためて実現しそうな運びになっているという。そのインタビューに向けてドラマや映画を何本も観て、質問リストを作成していたのだが、どこかにやってしまった。ただ、ドラマや映画を観て気になった点や台詞は抜き書きしてあったので、少しホッとする。

 夕方、荻窪にある本屋「Title」。二階で開催中の今日マチ子さんの展示は先週土曜日にも観ているけれど、日曜日に展示替えがあったので再び観る。そして自分の展示のことを考える。それにしても、今日さんの展示のあとに「手紙」展というのは不思議な縁を感じる。店主のTさんと搬入や物販の相談をして、高円寺へ。今日はライブを観にきたのだが、開演まで時間があるので「大将」(2号店)に入り、ホッピー。さてツマミはと考える。この店に入っておきながらも焼き鳥という気分ではなかったので、肉豆腐と枝豆を注文する。480円という値段で気づくべきだったが、運ばれてきたのは丼に山盛りの肉豆腐だ。しかも炒めたあんかけ野菜がたっぷりのっている。隣にスタミナ豆腐というメニューものっているけれど、これはスタミナ豆腐ではなく肉豆腐なのだろうか。最後までわからないまま食べきり、会計をしてもらうと1200円で驚く。

 20時、円盤にて「うたう見汐麻衣vol.7」。今日はお客さんが4人と少し寂しいが、やはり素晴らしい。もちろん歌そのものも素晴らしいのだが、こうしてライブを聴いていると、さまざまなことに考えを巡らせることができる。それをすぐに言葉にすることはできないけれど、そこで感じたことが原稿に繋がっているのだということが、最近になってわかってきたような気がする。見汐さんには『hb paper』で原稿を書いてもらったこともあり、このライブがあるたびに『月刊ドライブイン』を手渡せたらなと思って鞄に忍ばせているのだが、素晴らしいライブを観たあとにそんなふうに振る舞うこともできなくて、ほとんど毎回、挨拶もせずに帰ってしまっている。今回もそっと帰ろうとしたところで「痩せましたね」と声をかけてもらったのだけれど、うまく言葉を発することができず、会釈だけして会場を出た。