9時過ぎに起きる。午前中はアパートでテープ起こしをして過ごす。昼、知人は辛ラーメンにもやしとネギと豚肉をトッピングしたものを。僕はマルちゃん生麺(醤油)に、もやしとニラと挽き肉とキャベツをトッピングしたものを作って食す。テレビでは「スクール革命!」や「ニノさん」がオンエアされていて、知人は「休日のお昼っぽい」と口にする。たしかに、こういうゆるめの番組を眺めながら即席麺を啜っていると、土曜日のお昼を思い出す。一緒に買ってきていたレバーとニンニクの芽も、ニラとキャベツの残りと一緒に炒めて食べる。ラーメンを半分ぐらい食べた段階でお腹は満ちてきていたのに、せっかく買ってきたのだからと調理して平らげてしまった。ビールを2杯飲んだこともあり、すっかり眠たくなって昼寝をする。知人も寝ていた。

 気がつくと16時をまわっている。今日は知人と展覧会を観に行くはずだったのに、もうこんな時間だ。高田馬場を出るのはあきらめて、夜、映画を借りてくる。冷した日本酒を、らっきょうをツマミにやりつつ、ブルース・リーの『燃えよドラゴン』観る。冒頭からもう、何度も「格好良い」とつぶやく。そして、案外早くにかの有名な台詞――“Don't think, feel”が登場して驚く(その台詞は知っていたはずなのに、全編英語で進むのが少し意外に思えた)。しかし、『燃えよドラゴン』も70年代前半だったのか。今まで考えたこともなかったけれど、“Don't think, feel”という言葉は、その時代の文脈ともすごくマッチしている気がするし、『ポパイ』が70年代特集の表紙で表紙にしたのも頷ける。それゆえに距離を感じるところもあるし、ストーリーも「はて?」と引っかかるところもあるけれど、とにかくブルース・リーが格好良いので十二分に楽しめる。

 21時過ぎに映画を観終えると、パクチー焼きそばだけ食べようと最寄りの酒場に出かける。が、もう既にラストオーダーのあとだと言われてしまい、すごすご店を出る。何かツマミを作ろうとスーパーに出かける道すがら、ふうー、わた! ほわた! と、小学生のようにはしゃぐ僕を見て、知人は面倒くさそうな顔を浮かべつつ笑っていた。