9時半、『ブルータス』を見せながら知人に起こされる。今発売中の『ブルータス』は犬特集なのだ。中にはデヴィ夫人の飼い犬も紹介されている。「デヴィん家の犬ともなると、こんなにもつまらんそうな顔が出来るねえ。高貴な犬はつまらんそうな顔が上手やねえ」と、知人は一人でずっとつぶやいている。

 昼はスーパーで買ってきたシャケ弁当を購入する。午後、iPad片手に入浴。今週の『週刊朝日』の連載で、亀和田武さんが『サライ』(3月号)を取り上げていた。そこで、当時の亀和田さんは「漫画でここまで書いていいのかと思った」と書いていたのが永島慎二の『漫画家残酷物語』だ。僕は読んだことがなかったので(読んだことのないものが山ほどあって幸せだ)、電子書籍で購入して読み始める。

 18時、高円寺に出る。まずは「円盤」に立ち寄って、『comicミツザワ』(創刊準備号)を購入する。円盤が発行するリトルマガジンで、いろんな人が寄稿しているが、判型が予想以上にでかくて驚いた。「円盤」までの道すがら、以前は大きな犬がいた酒場をのぞいてみたが、犬の姿は見えず、くたびれた顔の店主だけがいた。

 北中通商店街を進んで、適当な酒場に入る。19時まで限定の千円晩酌セットを注文し、ビールを飲みながら『comicミツザワ』を読み始める。目当てだった見汐麻衣の随筆と北村早樹子の小説を読んでいるうちに、知人から「高円寺に着いた」とメールが届く。すぐ近くにある「C」に移動して、ハートランドで乾杯する。誕生日がくるたび、知人とこの店で飲んでいたが、今月末で閉店してしまう。