朝8時に起きる。9時半の電車に乗って高田馬場を出発し、日暮里と松戸で乗り換え、10時半には新京成線沿いのくぬぎ山駅に到着する。こういう機会でもなければ訪れることはなかったであろう。駅前には伝言板があり、編集のHさんは珍しがって写真を撮っていた。たしかに、最近では伝言板なんて見かけることは少なくなった。10時45分に全員揃い、あるお部屋に向かう。駅前にはロータリーなどもなく、コンビニが1軒あるだけだ。少し歩くと飲み屋が数軒並んでおり、「ここがくぬぎ山銀座ですね」とJさんが言う。銀座を抜けると畑が見えてくる。ここだと悪いことが起こらなそうとも誰かが言った。都心から30分強でこんなのどかな場所に至るのか。ここで畑を耕しながら過ごすことを少しだけ想像する。

 11時、お部屋にお邪魔して『S!』誌取材。姿勢を崩して左膝に肘をつき、煙草を吸う姿がとても格好良かった。2時間ほどで終了。新京成線で松戸まで引き返し、お昼ごはんを食べられそうな店を探して4人出歩く。松戸で電車を降りるのも今日が初めてだ。駅前に露店が出ている。老人がストレッチをしている。鼻に詰めたティッシュから血が滲んでいる老人もいる。松戸と言えば『カメレオン』の印象しかなかったけれど、老人ばかりだ。結局ジョナサンに入り、和の日替わり定食をツマミにビールを飲んだ。店を出たところで解散となり、僕は上野まで引き返す。白山眼鏡店で眼鏡を物色したのち、16時過ぎに新宿へ。Fさんから思い出横丁で飲んでいると連絡があったので合流する。最初は二人で飲んでいたけれど、一人、また一人と増え、最終的には五人になった。21時頃にはすっかり出来上がってしまって、一足先に帰途につく。