7月12日

 9時、風呂に湯を張り、湯に浸かりながら『AMKR手帖』の原稿を練る。昼はCoCo壱番屋でカレーをテイクアウトすることに決めて、ネットで注文。晩ご飯の買い出しと一緒に、知人に受け取りを頼んで、部屋で原稿を書く。しばらくすると電話がかかってきて、「注文が入ってないって言いよるけど」と知人が言う。あれ、最後の注文ボタンを押しそびれていたのかとページを確認すると、たしかに注文は完了している。が、よく見ると「白山駅前店」ではなく「春日駅前店」に注文してしまっていた。もー、とブツクサ言いながら自転車を1階に下ろし、春日駅前店に向かう。CoCo壱番屋のサイトから注文するとき、「エリア・駅名から検索」というフォームに「白山」と入力しても「店舗が見つかりません」と出てしまうので、今日は「文京区」で検索し、よく確認しないまま「駅前店」の文字だけに反応して店舗を選んでしまっていた(今あらためて確認して、「白山駅」で検索すればよいのだと気づく)。

 カレーを食べたのち(ビールも1缶だけ飲んだ)、『AMKR手帖』の原稿を書き進める。8割がた書き上げたところで原稿を寝かせ、RK新報の連載のテープ起こしに取り掛かる。知人は『ザ・ノンフィクション』を観ている。放送が始まった瞬間に、あ、駅前ビルだと気づく。父親が営む居酒屋を、大勢のこどもたちが支えている。こういう番組を観るにつけ、「家族経営」の姿を記すにはかなり繊細でなければならないと思いを新たにする。「家族で支え合う」という姿に、どんな態度で向かうのか。キッチンで父親が自論を語り続けるあいだ、こどもたちは手を膝の上に置き、視線を動かさずにじっと固まっていた。画面には映し出されなかったシーンを想像する。「さっきからずっと、家の空気が暗いんよ」と知人が言う。20時で仕事は切り上げ、知人が調合して作る麻婆豆腐をツマミにビールを飲んだ。