6月14日

 7時半に目を覚ます。『サンデーモーニング』を眺めながら、質問リストを作ってゆく。『サンデーモーニング』が終わると、『サンデージャポン』が始まり、「コロナの影響で、別れた恋人に連絡をとる人が増えている」という話が始まる。チャンネルをフジテレビに替えると、武田鉄矢かまいたちの山内に向かって「山内さんなんかは知らないだろうけどね、吉本の大先輩でやすきよってのがいてね、相方の人でもう、むちゃくちゃスキャンダル多い人がいたのよ。女性の不倫だったらまだいいんだよ、暴力事件とか。でも、そこのコンビの見事さはさ、全部笑いになる。お客さんがもう、出ただけで許してる」と語っているのが聞こえてきて、地上波が嫌になってBSに切り替える。1973年の甲子園、作新学院銚子商業の試合が放送されていた。最後は江川の押し出しで試合は幕切れとなる。

 12時近くになって知人はようやく起きてきた。こんな時間まで眠ってしまったことにうろたえている。札幌一番塩ラーメンを作ってもらって、平らげる。沖縄行きが近づいていて、それまでに片づけておかなければならないことが溜まっているので、料理は知人に任せきりだ。豚バラ肉やもやしがのっけてあるのだが、ぼくが作るよりウマイ。あとで調理後のキッチンを覗くと、コンロの横にあれこれ調味料が並んでいた。午後は湯につかりながら読書。15時にアパートを出て、下北沢へ。改札階の上のフロアにテナントがオープンして、ショッピングモールのようになっていて驚く。久しぶりで「古書ビビビ」を覗き、2冊だけ購入し、某事務所へ急ぐ。16時、『D・V』の取材でOさんにインタビュー。ぼくは『D・V』で仕事をしたことがなく、あきらかにOさんが聞き手として指名してくださったインタビューなので(編集部より先にOさんからLINEで打診があった)、それだけの働きができるだろうかと不安になっていたけれど、1時間しっかり言葉を交わすことができた。取材後、少し雑談しているときに、「あれ、読みましたよ、カネコアヤノ」と言われ、なぜだか申し訳ない気持ちになる。こうやってときどき聞き手として指名してもらっているのに、Oさんに対するドキュメントを、まだしっかり書けずにいる。

 下北沢の駅を目指す。雨はもう上がっている。さすがにマスクをしている人が多いけれど、マスクなしで談笑しながら歩いている若者もたくさん見かけた。君らは怖くないのかと思うのと同時に、じゃあ自分は何をおそれているのかと考えさせられる。18時過ぎに千駄木駅まで引き返すと、地上出口で知人が待っていた。「越後屋本店」であサヒスーパードライを1杯だけ飲んで、明日からしばらく東京を離れるのだからと、「ちよだ鮨」でパッ寿司を買って帰る。通販で買っておいた『ソナチネ』を観始めると、舞台が沖縄で驚く。沖縄に出かける前に観ておこうと思ったわけではない(そもそも観たことがなかった)。ほとんど風景画のような映画を、黒ラベルを飲みながらぼんやり眺めた。画面の中に映るオリオンビールはぼくが飲んだことのないパッケージをしていた。